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阿波國すきま漫遊記(第2話)

徳島県を中心として、四国で見かけた辻時計を紹介する。辻時計とは、街角や神社の境内などに建てられる時計塔や時計台のことだ。

広域地図

以前から気になっていたものがある。神社の境内や街角などでたまに見かけるアールデコ調のモニュメントである。いくつか類似物件を見ているうちに、それらが戦前に昭和天皇の即位や皇紀 2600 年を記念して建てられたものが多いことに気付いた。そのなかで特に目に付くのは時計がはめ込まれたタイプである。この物件を「辻時計」という。

全国にどのくらいの辻時計が作られたのかはわからない。おそらくそれを研究している人もいないだろう。だが、広い範囲で見かけるし、時計をはめ込んであったり、モルタルの洗い出し仕上げであったりという特徴を見いだすことができるから、これは全国的なムーブメントだったのではないか。

おそらく相当の数のモニュメントが造られたと想像しているが、現在ではあまり数が残っていないのはなぜなのだろう。場所が辻であったものは道路の拡張にともなって取り壊されたのかもしれないが、それにしても数が少ない。もしかしたら敗戦時にGHQからの通達により一斉に取り壊されたというような歴史があるのかも知れない。たかだか60年前のことがよくわからないというのは不思議なものだ。

ここでは、徳島周辺で見かけた辻時計とその同じ日に見た他の物件を紹介していこう。

なお、純然たる辻時計だけの索引はこちらにある。