徳島鴨島線、通称トッカモ線の旧道。狭いながら、徳島市内の蔵元から鴨島まで、県道のトッカモ線と重なることなくたどれる長い旧道である。この道がお気に入りでよく利用していることは以前にも書いた。
その途中に高札場の跡か?という雰囲気の四つ角があって、そこに「白川神社こちら」と書かれた常夜灯が建っている。
さて、この写真の左端に写っているコンクリの台みたいなものにお気付きだろうか。
これは私が「お
こうした常設の神輿台は、徳島や香川、淡路島などでよく見かけるが、それほど広い地域に分布するものではないような気がする。
少なくとも関東のほうでは見た記憶がない。
徳島県内の常設神輿台を徹底的に探索するのも面白いかもしれないが、現状ではまだたまたま行った先にあれば写真を撮るという程度の存在だ。
白川神社へ行ってみた。
石井町方面にたくさんある神社にありがちな雰囲気の神社だな。
凸型拝殿で、本殿は覆屋の中にあって見えない。
狭い境内に入ると正面は拝殿、右手に水盤舎がある。
拝殿の左側には社務所というか、籠り堂のようなものがある。
氏子がなにか作業をしていて拝殿が開いていた。
奥に階段があって、すこし高いところに本殿がわずかに見えている。
向拝虹梁の蟇股のところに神紋があった。
「山丸三」の紋で、御嶽教の神社のマークだ。
拝殿の右側から裏手へ廻る。私は神社ではなるべく本殿の裏側を見ることにしている。何があるかわからないからね。
この神社では本殿が完全に覆屋に収納されているのだが、その覆屋に出入口があった!
ナンダコレハ?! こんな構造の覆屋、初めて見たぞ!!
入ってみると、拝殿から本殿に続く幣殿部分の床下を通行できるようになっている。
しかも床下に賽銭箱があってお参りできるようになっているではないか!
覆屋の中で本殿の周囲を回れるようになっていのだ。
面白い、面白すぎる。
お寺ではこうした回転行為を促すような建築や造園がときどきあるが、神道で動線が回転する建築ってきわめてまれだ。まぁ御嶽教なので、仏教的な遺伝子もあるのだろうけど。
しかも本来の拝殿→幣殿→本殿という連続した空間と、この部屋は壁で隔てられているので動線はまじわっていない。2種類の動線で参詣しないと、すべてを拝めないという構造なのだ。
本殿の裏側にも賽銭箱がある。ちょっと前の記事でも同じ町内でリバーシブル神社を紹介しているので、この町内はリバーシブル神社密度が高いな。
本殿は入母屋造だろうと思われる。
拝殿を正面からみたときには想像できないすごい造りが裏手に待っていたのだ。やっぱり本殿の裏はチェックしないとだめだな。
本殿の裏側によく末社などが並んでいたりするが、ここでは小さな塚がある。御嶽塚だろうか。
霊神碑が3基。
たくさんの霊神の名前が刻まれている。
奥にあるのはトイレ。
(2008年04月06日訪問)
古建築の細部意匠
単行本 – 1972/6/10
近藤 豊 (著)
amazon.co.jp
いつも机の上に置いてあります。