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阿波國すきま漫遊記(第4話)

徳島の流れ橋と沈下橋を巡る。河川が増水したとき、橋桁が外れる橋と水面下に沈む橋である。

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私は高校の頃からお寺巡りが趣味でお寺の建築に興味を持っていた。自分でも「自分のジャンルは建築」と思っていたから、それ以外はあまり重視してこなかった。

だから「橋」については、面白い橋があっても自分の専門外だからいちいち写真は撮らないというスタンスだったのだ。なぜなら橋は建築ジャンルではなく、土木のジャンルだからだ。

でもあるときから少し視野を広げようと思うようになり、橋の写真を撮ってみた。それは関東から徳島に転居してから1年がたったころだった。特に注目したのが、流れ橋と沈下橋で、自分が暮している地域にいくつもの面白い橋があったからだ。

流れ橋は、大雨で河川が増水したとき橋桁が外れる構造の橋のことである。増水時に流れてくる流木などが橋桁に絡んで過大な水圧を受け橋が損壊するのを防ぐために、橋桁がすぐに外れるようになっているのだ。もちろん橋桁はワイヤーで岸と結ばれているから流亡することなく、水が引いたらまた再利用できる。

沈下橋とは、増水時に橋桁が水没する構造の橋のことだ。だいたいが平時の水面すれすれに橋桁がある。増水時には橋桁が水没し、流木などは橋桁の上を流れて通過することで橋の損壊を防ぐ。もちろん水圧を受けやすい手すりなどはく、かつ、橋脚や橋桁は丸みのある水圧を受けにくい形状になっている。

このような流れ橋と沈下橋を中心として、徳島県にある河川区域にある土木構造物などを紹介しよう。なお、第1話~第3話までとは異なり、橋を訪問した日に見た他の風景は触れず、水系ごとに並び替えて下流から上流に向かって紹介していく。

なお、徳島以外の流れ橋についてはこちらへ ➡ 沈下橋・流れ橋