勝浦川は徳島市南部で
その先行谷の最下流のあたりで川面を見ていると、点々と柱のようなモノが並んでいるのに気付く。
これは「こんにゃく橋」という名前の流れ橋の名残だ。同じ名前の橋が鮎喰川の河口部にもある。流れ橋には四輪車が通れるほどしっかりした構造のものもあるが、「こんにゃく橋」と呼ばれるものは橋桁に弾性があり、人が歩くだけでたわんで揺れるようなものを言う。
周囲には人家も少なく、どういった要請でこの橋が出来たのかはわかりにくい。
対岸のお寺に墓参にいくとか、対岸の鉱山に働きに行く人が通るとか、その程度だったと思われる。
この橋の左岸側には以前紹介した七釜の滝がある。
橋桁の高さもそこそこあるので、橋桁が流されたら人力で復旧するのはむずかしく、川の中にユンボ等を入れて吊り上げる必要があったろう。
もしその作業を行政の予算で行なうのだとしたら、廃橋にしたくなるのもわかる。
増水のたびに予測できない臨時予算が発生するし、復旧させたとしても市民が橋から落ちれば責任が問われるからだ。
かといって、積極的に橋脚を撤去するのにも予算が必要になるから、台風などで自然に壊れていくままにしているのであろう。
屈強に見える橋脚もメンテナンスフリーというわけにはいかずときどきは壊れるのだ。
それは沈下橋にも言えることだ。
(2008年06月02日訪問)