私は鮎喰川の近くのこじんまりとした新興住宅地に一戸建てを借りて住んでいる。この住宅団地の前には農業用水があるのだが、会社から帰宅するとその用水があふれそうなくらいに増水していた。
接近中の台風9号の影響だ。
橋桁にゴミが引っ掛かり始めている状態で、橋に水が乗るまであと30cmくらいという状態だ。
ただ、不思議なのはめちゃくちゃ増水しているのに水はまったく濁っておらず清流のよう。
そもそもこの水はどこから来てどこへ行くのか、これまでほとんど気にしたことがなかった。
あらためて用水の源流部に行ってみると、堰などから取水しているのではなく、湧水が起点になっているっぽい。
よく見ると地下から吹き出すみたいに水が湧き出ている。
鮎喰川の伏流水が水圧で普段より多く湧き出ているってこと? そんなことってある?
鮎喰川は流域面積も大きい立派な川だが、わが家がある眉山のあたりでは水は伏流水になってしまい、水量はわずかしかない。
これはGoogleストリートビューの5月ごろの様子。こんな感じの石の河原ばかりの川なのだ。
ところが台風の接近で上流に多量の雨が降った結果、堤防ぎりぎりまで水位が来ていて、泥水の海のようになっている。
これでは用水の過剰な水を鮎喰川に排水するポンプ場がどこかにあるとしても、もう排水どころの話ではない。堤防が切れればかなりのかなりの被害が出るだろう。
私の家から神山方面へ向かう県道21号線も冠水していて通行できない。
バリケードがないからか、水の中に入っている勇敢なドライバーがいるな・・・知らんぞ、どうなっても。
田んぼはすでに冠水しいて、家だけがかろうじて水面から出ているという状態。
でもまあ大丈夫なんだろうな・・・。
ホント、吉野川流域で家を建てるときは、古くからある家がどのくらい土盛りしているかよくよく観察したほうがいいよ。
さて、私の家のある場所から上流方向に行くと、最初にある沈下橋が梁瀬橋だ。
橋長は130mほとある長い沈下橋なのだが、実は、この橋は増水したときの写真しかない。
自宅からの方位的に、どこかへ行くときにも、どこからか帰るときにも、あまり使わない橋なのだ。
Google ストリートビューで見ると、好天のときはこんな感じ。
橋の中央に待避所があり、四輪車が離合できる。
河原は広く、対岸はキャンプ場にもなっている。
それが増水するとこうなる。
2004年6月の増水時。
すごい水しぶき。見ているだけで怖い。
けっこう大きな流木が打ち上げられているが、橋は損傷せずに持ちこたえた。
(2009年08月10日訪問)