中稲原の流れ橋

板1枚の幅しかない細い流れ橋。

(徳島県神山町下分中稲原)

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国道439号バイパスを走っていると、道端に小さな流れ橋が見える。

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このあたりの字は「稲原(いなばら)」というが、どうやら鮎喰川の対岸に人家3戸の飛び地があって、そこも稲原らしいのだ。

そのため町内付き合いのための近道としてこの橋があるようだ。

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国道からは側道があるが、肝心の橋は幅員が30cmくらいしかないので自転車も通れない。

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橋脚はRC造だが、上流側には鉄板が取り付けられていて石の激突による摩滅を防いでいる。

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橋桁は列車みたいに連結されていて、連結部分のケーブルは橋桁の下流がわに巻いてある。

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この橋は昔はもっと大きくてオートバイくらい走れたのじゃないかと一瞬思ったが、橋台を見ると板の幅ぎりぎりに作られているので、出来たときからこの幅だったのだろう。

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ケーブルの端は護岸の擁壁の途中にアンカーボルトで留めてある。

この擁壁はたぶんバイパス工事のときに作られた新しいものだと思う。そのため側道が必要以上に立派に造られてしまったのだろう。

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2009年8月9日の増水時。

前回の訪問から2年経っている。側道の入口に「消防道」という看板がついた。

消火活動のために流れ橋を渡るとは思えないので、川に降りてポンプで水を汲むといった目的でこの側道を使うのではないか。

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川幅いっぱいに増水して、橋台を含めて橋は完全に水没している。

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橋桁は増水すると川岸の流れの弱いところに寄せられるはずなのだが、ケーブルが橋脚からうまく外れずに絡んでしまったようだ。

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流木や大きなゴミが絡んだら壊れてしまうかもしれない。

この流れ橋は私が確認した鮎喰川の最上流の流れ橋/沈下橋である。

GoogleMapsの衛星写真を見ると少し上流に怪しい場所もあるし、支流も含めて丹念に探したらまだ沈下橋があるかもしれない。

(2007年06月02日訪問)