川島潜水橋は、吉野川の中洲である善入寺島と川島町市街を結ぶ沈下橋。吉野川の沈下橋のなかで最も有名な橋だ。徳島を訪れて沈下橋を1ヶ所見るとすればここがいいと思う。
四国巡礼の第10番から第11番へ向かう遍路道が通っていることから、歩き遍路が渡る姿も頻繁に見られる。歩き遍路で最後まで廻れる人は3割くらいと言われるが、さすがに徳島県でもこのあたりはまだ序盤なので挫折する人も少なく、お遍路さん密度が高いのだ。
きょうも南詰めでお遍路さんを見かけた。これから第11番へ向かっても納経時間が終わっているから、宿を手配しているのだろう。
川島町側から善入寺島方向を見たところ。
橋長は約280mで、高瀬橋や他の橋と比較して長いわけではないが、橋長のほぼ全体が水面上にあるため写真映えがする。
橋上は1車線で橋の中央部分に1ヶ所だけ離合ポイントがある。徳島の沈下橋では離合ポイントって珍しい。
ほか、50mごとに小さな退避所があり、歩行者や自転車程度ならここに避難できる。
橋桁は鉄柱で水面までの高さは5mくらいはありそう。それでも吉野川の増水時には冠水する高さだ。
橋の前後には和船が何艘か係留されていた。
やっぱり川漁師がいるのかな。
たまに釣りざおを持って舟に乗っている人を見かける。
アユ釣りだろうと思うけれど。
これ趣味なのか、仕事なのか・・・。趣味だとしたら贅沢すぎひん?
上流側の河原にも和船が無造作に置かれている。
川岸の消波ブロックに見慣れぬものが漂着していた。
「地蔵流シ供養」って書いてある。
あまり耳にしたことがない習俗だ。しかもきょうは1月1日。お盆ごろならわかるけど、なんで今ごろ?
よく見ると束になったまま沈んでるのもある。
たとえば1回の供養で1万体の地蔵を流すとしても、束を揃えたまま川に投げ込むなんてことがあるのだろうか。
橋の北詰。善入寺島から見た川島潜水橋。
島の外周には竹林が作られていて、増水時に流されてくる流木やゴミなどが島内に入らないようにするバリアになっている。
吉野川中流部の河岸ではこうした竹林が所々にある。
善入寺島は川の中にある島としては日本最大の面積で、かつては村があったが、明治時代に洪水対策の湧水池として整備が始まり大正時代には無人となった。
最後までのこった村人には強制的に故郷を追われた。島内にあった家々や学校、寺社などもすべて島外に移転させられ、いまは全体が耕作地になっている。
善入寺島からみた
県西の人々にとっては心のより所となる霊山だ。
手前の山並みの斜面に点々と人家があり、ここから上流の吉野川両岸はソラの風景に変わっていく。
(2007年01月01日訪問)
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