
北峰の五差路にはお寺の看板が2つ出ている。そのうちのひとつ「成願寺」へ行ってみることにした。
成願寺はこのあたりの大字にもなっているので、どんな寺なのか期待してしまう。

葛川は合流地こそ低地の氾濫原だが、その上流部はほとんどが台地で、
成願寺はそんな台地の畑地のまんなかにある。

成願寺は現在、霊園を発売中のようで、傾斜地に広い墓地が作られていた。
墓地の入口には聖観音と六地蔵。

六地蔵堂は閼伽井屋を兼ねている。

成願寺本堂。
お寺の建物はこれだけ。庫裏もなさそうなので無住のお寺だ。
大字の名前でもあるので大寺かと思ったが、意外にこじんまりとしている。

お寺の左側の敷地には鎮守社の稲荷神社がある。

鳥居を入ったところには小さな塚があり、末社の愛宕神社がある。

愛宕社の裏側にまだ新しい石祠があった。

「おいぬさま」とある。
ほかに何の説明もないのでわからないが、三峰神社などの関東山地の神社の眷族である狼を祀る末社か。

愛宕社の右側には、白山神社と天神社の石祠。

参道には棹納め所。
これって本当は何という名前なんだろう。ときどき写真に撮ったりはするが、あまり記事内でその存在を説明したことがない。
これからは写真を撮った場合は載せるようにしようか・・・。

水盤は八角形。
明治11年の銘がある。
この神社に唯一無二のものではなく、他所でも見たことがあるような気がするのだが、すぐ指摘できない。

稲荷神社は拝殿が入母屋妻入りで、茅葺きの建物。
観光施設でもなく補助金で造った箱モノでもない建物で茅葺というのはかなり珍しい。氏子の力だけで維持しているのだとしたらすばらしいことだ。

拝殿は奥のほうが凸型に出ていてそこに本殿が収納されている。
暗くてよく見えないがたぶん一間社流造りだろう。奥のほうに絵馬がいくつか掛かっているが、それもよく見えない。
拝殿の中央にあるブルーシートが掛かった物体はおそらく神輿だろう。

拝殿の右側に下屋があって納屋になっているようだ。
神輿は納屋に入っていたのが何らかの都合で拝殿内に移動したのではないかと思う。
(2025年09月17日訪問)