これは私個人の感じ方なのだが、基本的に埼玉県の河川で八高線以西は川遊びのエリアであり、生活に根ざした川との関わりを見つめるための場所ではないと思っている。
川や橋の様子を軽い気持ちで見るには向いていない。有料の園地が多いし、当然、駐車場も有料になる。
その中で、飯能河原は特に駐車が困難なスポットで、本来は西武線沿線の住人が電車で訪れるための場所なのだ。公式サイトでも「駐車場なし、公共交通機関をご利用ください」という案内になっている。

私は500m以上離れた飯能中央公園に駐車して歩いたが、それとて本来は川に行くのに利用してよい駐車場なのかは微妙だった。
駐車場予約サイトを見ると、(2025年現在)河原の近くには8台分くらいの個人駐車場が予約できるほか、予約不可で1日1,000円強の駐車場が20~30台ぶんくらいはあるようだ。

川辺にはバーベキュー店があるので、手ぶらで行っても楽しめる。
鴨川の川床の廉価版みたいな観光地なのだ。

アウトドアスタイルで自分で楽しみたい人には河川敷に有料火気使用可能エリアが設定され、決められた場所でバーベキューができる。有料だがゴミ処理もありいい取り組みだと思う。
川で泳いだりお弁当を食べたりするだけなら無料。ただし脱衣所やシャワーなどはない。

さて、肝心の沈下橋はバーベキューエリアの真ん中にあり目立つ。飯能河原に遊びに来た人の多くが渡るのではないか。
もちろん地域住民のための実用橋ではなく、この園地の施設だ。たぶん橋の名前は無い。

駅側から対岸のバーベキュー店に行くためにはこの橋を渡らなければならない。

橋桁は川底からの高さは1.5mほどしかなく、これはちょっとした増水でも冠水するだろう。

橋桁には横に鉄のガードが付いている。

固定方法は阿須の流れ橋と同じ。

流れ橋から下流方向を見る。赤いアーチ橋は歩行者専用橋の割岩橋。
この先に飛石があるのでそれも見ていこう。

河原を歩くのは大変なので、岸辺に作られた歩道を歩く。

割岩橋の下を通る。

途中はずっと川遊びエリア。
ここより上流には大きな人口がないので、水はきれいだ。

流れ橋から500mくらい歩いたところに一つ目の飛石がある。

けっこう密度が高く設置されているので歩きやすい。

下流側には床止め工。

右岸には崖線に登る道があるので、この飛石を使って川の対岸へ近道することが可能といえば可能。
そういう目的で利用する地元の住民がいるかどうかは怪しいが。

一つ目の飛石から下流は無料エリアになる。

2つ目の飛石が見えてくる。
だいたいこの飛石までが川遊びのエリアになるようだ。

もっとも2つ目の飛石は、駐車場や駅からはかなり歩くことになるので、この辺りには誰も来ていない。

造りは1つ目の飛石と同様。

左岸の様子。
飛石を渡ってもどこにも行けない。

飛石の下流方向。
ここから上流の入間川にもまだ飛石や沈下橋があるかもしれない。
でもそれらを訪ねることはバーベキュー場巡り、キャンプ場巡りになりかねないのであまり気が乗らない。入間川の上流の山間部は、川と生活の関わりとは違うテーマで訪れるのがいいように思う。
(2025年08月25日訪問)