JR徳島線の鴨島駅前に来ている。

鴨島はかつて「蚕都(さんと)」と呼ばれた。片倉製糸、筒井製糸といった名だたる製糸工場があり、多くの労働者を集めて繁栄した。

特に筒井製糸は鴨島で誕生した製糸会社で、高品質の生糸で全国に名をはせた。筒井製糸はこの駅の北側の現在フィットネスクラブがある一帯にその工場があった。

その当時、近隣の農村や山村で学校を出た女の職場はほぼ製糸工場だった。また近隣には鉱山も多く、男の職場だったから、出会いを求める男たちもこの街に集まり、エネルギーに満ちた大変に賑やかな街だったに違いない。

駅前から延びる通りにはアーチ看板があり、それぞれ通りの名前が掲げられている。

現代では新たに造られることはほぼないので、こうしたアーチ看板は歴史的建造物といってもいいのではないか。見かけたらできるかぎり写真を撮りたい。

旧伊予街道、県道239号線。鴨島を東西に横断する古い道。

このアーチ看板は柱がなく、両側の建物に固定されている。こういう構造、初めて見た。

駅の正面の大通り。

ここのアーチ看板は立派。

両側の歩道はガンギみたいなアーケードになっている。こういった設備も時代を感じさせる。

アーチ看板は駅前と旧伊予街道交差点の2箇所に設置されている。

駅前には時計台もある。

いわゆる辻時計とは違うので、時計の記事には含めなかった。

駅前から左斜めの方角に延びるアーケード街、銀座商店街。

銀座商店街もアーケード通りだ。

きょうは元日なのでまったく人通りがないけれど、普段はどうなのだろう。

銀座通りの北寄りにあるインターネットカフェ。

ここにはかつて文化座という映画館があったという。出来たのは終戦後で、映画だけでなく芝居も上演したという。

私が徳島に来たこときは「マミー」というスーパーマーケットだったような気がする。現在は24時間営業のインターネットカフェで、ビリヤード、カラオケ、貸本にもなっている。私は気になっていた長編マンガを読み切るために宿泊コースで利用したことがある。

インターネットカフェの横を通り抜ける路地もアーケードになっている。

かつてのにぎわいの雰囲気を残した路地だ。