
阿津満稲荷の背後は市野川と荒川の合流地になっている。
その場所に落差工のようなものがあるので見に行くことにした。

神社の横から合流地への踏み分け道があって容易にアクセスできる。

合流地へ近づく人への注意書き。
立ち入るのはいいけれど、とにかく増水には注意しようということらしい。
この落差工は一歩間違えば即死という危険な場所ではない。だが正直、子どもが川遊びをするのに適した場所とも言い難い。川には流れがあるし水垢で滑るので、海岸と比べると100倍くらい転倒しやすく、事故につながりやすい。

落差工は4種類の横断工作物が組み合わせてある。
それぞれにどういう目的があるのかはわからないが、複雑な落差工だ。

最も上流にあるのがこの堰堤。
放流路は中央1ヶ所だけで、上流にせき止められた水が放流路からやや勢いよく流れ出ている。
ただ、少しでも増水すればすぐに堤の上から水があふれるだろう。

上流側の水面。

堰堤のすぐ下には高さ1.5mくらいある垂直の壁がある。堰堤の洗掘を避けるにしては大げさすぎる。
壁の直下に水深がないので、川を遡上する魚は加速がつけられずこの壁を登れないのではないか。もしかして、魚止めが目的?

そのすぐ下には対戦車障害物「竜の歯」みたいなのがある。語彙が足らなくて申し訳ないが、でも他に例えようがない・・・。
この上を跳ねて歩ければ対岸まで渡れそうに見えるが、間隔が広くてちょっと無理そう。

そのすぐ下流には消波ブロックが規則正しく積まれている。この部分も上を歩くのは難しそう。
市野川の水量が増えたとき、最も勢いを削ぐのはこの構造物だと思われる。

堰堤の上は60cmほどの幅があり歩くことができる。
放流路の近くまで行ってみる。
市野川の水量がいっぺんにあふれ出ているので、流れが強く何だかちょっと怖い。足底にスパイクのついた胴長でも着用していれば、水が浅いところを踏ん張って渡ることができるかもしれないが、積極的には近づきたくない。

放流路の幅は4~5mはあるので堰堤の上を跳んで向こう岸までも行けない。人の体重を支えられるような板を渡すのも難しいだろう。
つまるところ、この水制工を利用して簡単に対岸へ渡る方法はない。

堰堤の上から荒川の対岸が見えた。
川へ降りる古い道があるので、かつては渡船場でもあったのかもしれない。
(2022年12月16日訪問)