矢来用水の取水堰がある矢来頭首工。
この付近は2019年の災害の復興で大規模な堤防改良工事が行なわれていて立入禁止が続いてきた。徐々に解除されているが、現在も矢来用水のあたりはまだ立入禁止の看板が出たまま。立ち入りが解除された上流や下流区間から河川敷を歩いて近づけば一応近づけるのだが、脱法的なのでやめておいた。そもそもけっこう歩かなくちゃならないので・・・。
矢来堰は、床止め工の上に蛇籠を積んだ構造のかなり原始的な感じの斜め堰だ。
県のサイトによれば基礎は木工沈床とのことだが、蛇籠の上には植物が茂っているため堤体がよくわからない。現在の形になったのは昭和37年(1962)だという。見る限りではコンクリートの床止めに変更されていると思われる。
中央にはつづら折り階段式魚道が設置されている。これは2021年ごろに設置されたもの。
蛇籠からの全体的な越流では魚が遡上しにくいからだろう。
植物に覆われた斜め堰は都幾川らしい風景といえるだろう。
都幾川のこの区間は右岸を紹介しているが、広い河原がほとんど管理されていない河畔林になっている野性味のある区間だ。
矢来用水の呑み口は右岸にあり、水門が設置されている。この水門を閉めれば導水路には水が行かない。
これと比較すると、長楽堰の取水方法はかなりアバウトではないか。
呑み口から矢来樋管までは暗渠になっていて水路は見えない。水路が地表に現われているところに矢来樋管への分水路がある。
導水路はさらに下流に流れていて四反田樋管へつながっている。
このあたりから四反田樋管までは徹底した工事で旧態がどうなっていたのかはわからなくなった。矢来樋管も工事前は煉瓦造りの原始的な樋管だったようだ。
矢来樋管の川裏へ近づいてみた。
法面は芝生の養生中でいまだ立入禁止だが、樋門のところはに石段があるので通行できる。
完成したのは2026年2月末。
この樋管はなぜか川裏側に水門がある。
水門は開いているが、ほとんど水は来ていない。
トンネルにはアライグマの足跡がついていた。
導水路の分岐部分の構造的にも矢来樋管方向には流れにくくなっている。実質的に矢来頭首工のメイン送水先は四反田樋管なのだろう。
矢来樋管はもしかしたら過去の水利権等の関係で補助的に残されているだけなのではないだろうか。
この水路の壁の穴が矢来樋管からの水の吐き口と思われる。
だがこの水路は矢来用水ではなく、さらに上流から取水した「上用水」という用水路だ。
(2026年04月12日訪問)
