出丸第2横堤

河の流れに直角に造られる堤防。

(埼玉県川島町上大屋敷)

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荒川右岸から樋詰橋(ひのつめばし)への取付け道路。3月末に訪れたら菜の花が鮮やかに咲き誇っていた。

この写真は堤防の上に道路が続いているように見える。これは普通の堤防ではなく、横堤(よこてい)と呼ばれる荒川独特の治水設備なのだ。

一般の堤防は川岸に造られるから、水の流れと並行な土手である。それに対して横堤は、川の流れに対して直角に設置されるのだ。

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少し高い所から見るとわかりやすいのだが、手前を左右に横切っているのが一般的な堤防。そこから直角に奥の方にのびているのが横堤だ。横堤は荒川が氾濫して河原にまで水があふれたとき、水の流れを弱めるためのものなのだ。荒川は画面左から右へ流れている。

この横堤の名前は出丸(でまる)第2横堤。これも荒川らしい風景。荒川には現在25ヶ所の横堤があると言われているが、その中でも1~2を争うような立派な横堤だ。上に舗装道路が通っているため、全体を観察しやすいというのもいい。

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川の方向から横堤の付け根を見たところ。

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出丸第2横堤では、さらに堤防の上流側を雑木林にしてあるので、出水時の緩衝帯になっている。

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出丸第2横堤の長さは約900m。

そのうち横堤上に道路があるのが西側の500m。

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途中から道路は堤防の下へ降りる。

道路が堤防の下にある区間が400mある。

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横堤下の道路。

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横堤の突端。突端部も土坡で、特別な補強構造は見受けられない。

突端から樋詰橋までは約500m。樋詰橋を見学するときは横堤も一緒に見学しよう。

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(2023年03月20日訪問)