初雁球場とラジオ塔

戦前のラジオ塔が球場内に残っている。

(埼玉県川越市郭町)

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川越城本丸御殿前に市営の野球場がある。

川越市営初雁講演野球場である。

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切符売場もあるので、プロ野球のオープン戦興行などで使われることもあるのだろう。

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だいたいこういう大きな野球グランドは入口が閉ざされているのが普通だと思うが、きょうは入れるようになっていた。普段もこんな感じなのか、それとも今日は特別なのかはわからなかった。

せっかくなので中を見ていくことにした。

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午後の観客席は背後のヒマラヤ杉の木陰になっていて、残暑の9月でもそこそこ過ごしやすい場所だった。

川越の町歩きでこのあたりまで来る人もいるみたいなので、無料の休憩場所にはいいと思う。

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グランドにも降りられる。やっぱり特別な日なのかな?

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特別観覧席?

市長とか県知事とかが高校野球を観覧する場所?

投球状況を表示する信号機みたいなのがエモい。

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さて、この野球場に入った理由のひとつがこれ。

ラジオ塔だ。

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日本のラジオ放送は大正14年に開始されたが、初めのころは受信機が簡単には手に入らなかった。そのためラジオを知ってもらうために各地に公開ラジオが設置された。それがラジオ塔。

このラジオ塔が建てられたのは昭和15年で、そのころは国民の戦意高揚のため多くのラジオ塔が建てられた時代である。

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ラジオ塔は当サイトでは初めて紹介する物件。

実は私が生まれ育った前橋市の遊園地にもあるし、10年間住んだ徳島市の城山公園にもあって、いずれもその存在は認識していたのだが、なぜか写真を撮っていなかった。そういうところ、ダメだなぁ・・・。

せめてそのうち前橋の遊園地の物件だけでも見ておこうか。

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ここにスピーカーがはめ込んであって、けっこう大きな音で放送が聴けたのだと思われる。

(2025年08月31日訪問)