川越城本丸御殿

現存する本丸御殿は貴重なのだという。

(埼玉県川越市郭町)

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川越市立博物館にある講演を聴きにきている。

開始時間の1時間前くらいに着いてしまったので、近くにある川越城本丸御殿を見学することにした。

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本丸御殿とは、城の本丸部分にお屋敷が建てられいるというもの。二条城と高知城くらいにしか現存していなくて意外に貴重なものらしい。

私が川越市内に住んでいたころは、この建物が市立博物館として使われていて、中に縄文時代の丸木舟とか土器などの展示物が並べられていたような気がする。

現在はそれらは片付けられて、純粋に建物として見学できる。

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ただし現在の残っているのは本丸御殿のごく一部で、主に政務を行なっていた場所。城主の住居である「豪華絢爛な御殿」が残っているわけではない。

お城の本丸というと姫路城とか二条城みたいなものをイメージしてしまうので、落差が大きく、正直あまり面白みを感じないということは先に白状しておこう。

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入場料は博物館、美術館、本丸御殿でセットになった切符があったので、博物館+本丸御殿を購入。

ついでに駐車場のスタンプを捺してもらう。博物館前の駐車場は無料なのだが、駐車券に施設のスタンプを捺してもらう必要があるのだ。

入場券売場が変なところにあり渋滞しているため、部屋がひとつふたつ見れなかったよ。

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建物は部屋の回りを廊下が取り巻いている間取り。お寺の方丈によくあるような造り。

武者隠しとか秘密の脱出路などはなく、ホント地味なのだ。

メインの建物のほか、奥座敷みたいな建物があり、渡り廊下でつながっている。

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これが「使番詰所」という部屋。

表座敷の中では唯一納戸があり、部屋に変化がある。

他の部屋は畳と襖だけなのでかなり地味。

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まぁ、そんな感じで外廊下を順路に従って回っていく。

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表座敷の背後に突き出た「坊主当番詰」という棟。

廊下がうぐいす張りになっていて、唯一、お城らしいギミックがある。

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渡り廊下を通って、奥座敷へ。

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表座敷と奥座敷のあいだには坪庭がある。

江戸時代の作庭かどうかは不明。

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奥座敷は家老が執務をする場所だったそうだ。

明治になって民間に買い取られていたのを買い戻して平成2年から公開されているという。

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贅を凝らしているというのでもなく、地方の名主の屋敷みたいな感じ。

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一番格が高い部屋もずいぶん質素。

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北側の廊下の両端に便所がある。

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このあたりは推定で復元されているかもしれないので、どこまで真剣に見たらいいのか。

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便所の外観。

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奥座敷の前には庭があるが、正直、庭としてあまり見るべきところがない。

作庭に力を入れすぎても、史実と違うことになってしまうからか。

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再び表座敷に戻り、順路にしたがって裏の廊下へ。

ここもうぐいす張り。

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坪庭を先ほどと反対側から見たところ。

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ひと回りして車寄せに戻ってきた。

入場料が100円なので不満はないけれど「すっごく面白くて勉強になるから、ぜひ行ってみて!」と言える施設ではなかった。(個人の感想)

(2025年08月31日訪問)