
JR熊谷駅の南側に
その公園の中に土盛りがあり、桜が植えられているのだが、これが古い荒川の左岸堤防「熊谷堤」の名残だと聞いてもあまりピンと来ない。

熊谷市の中心部は荒川が秩父山地から流れ出て形成される扇状地の扇端にある。
一般的に扇端部では川底が浅くなりがちで、確かに水害のリスクが高い地勢なのだ。

そのため中山道の熊谷宿付近の旧市街地を守る堤防が造られた。
JR熊谷駅の南側の地図を見ると、碁盤の目のような地割りの中に斜めの道路が走っている地割りがぼんやりと浮かび上がってくる。この斜めの地割りがかつての荒川左岸堤防なのだ。この堤防は戦国時代の武将北条氏邦が構想し築堤に着手したことから北条堤とも呼ばれている。
そのころ現在の万平町はまだ堤外地であり、基本的には市街には向かない場所で主に農地として利用されてきた。

国土地理院のサイトで昭和23年(1948)の航空写真を見てみる。まだ熊谷堤が確認できる。
荒川沿いには現在の左岸堤防が作られ、万平町は堤内地となり熊谷堤の必要性は低くなっている。
その後、駅南地域の再開発で旧堤防は撤去され平地化される。その際、記念に一部を残したのが万平公園なのだ。

そう意識して見てみると、この堤防はかなり立派なものだったとわかる。

現在、堤防の上や法面は公園の一部として余すところなく立ち入り、利用できる。

堤防の北側は切り取られた断面がコンクリで固められている。
法面に所々新しい補修跡があるのは、元々ここにも滑り台などの遊具があったからだ。
以前、2022年1月にもこの場所を訪れているのだが、そのときにはまだ遊具があった。そのときは夜で凍えるほど寒かったため写真を撮らず、2023年8月に再訪したらこの有り様。面白い場所はたとえ夜だろうが悪天候だろうが写真を撮らないとダメだな・・・。
以前の様子。
ストリートビューを見るとこの場所は2022年12月に遊具が撤去されたようで、撤去作業中の画像が見られる。

万平公園は現在残っている公園の遊具にも見るべきものが多い。

こちらは斜面を利用した大型滑り台。

デッキにはハンドルのような意匠がある。
こうした些細なことで子どもたちはごっこ遊びができる。意欲的な台だと思う。

滑降部はスピードが出すぎないように途中に平面が設けられている。
滑降部が長い滑り台でローラー滑り台でないものは貴重だ。
私は滑り台で一番楽しいのはこのような長い通常の滑降部を持つものだと感じている。ローラー滑り台は子供たちには人気があるが、スピードが出ないため滑っても大して楽しくない。

蒸気機関車と客車。
客車部分が長く、列車強盗ごっこなどの遊びが生まれそう。

駅舎もあるという非常に凝った遊具。

貨物船型大型遊具。
こちらもとても凝ったもの。

船橋がリングラダーになっている。

ブランコ。

ストレッチ遊具。

雲梯の一種?

スプリングライドとシーソー。

シーソーは支点移動式。
支点移動できるシーソーって古いんじゃないか。もしかしたら昭和まで行くかも。
座部が滑らかなカーブを描いているが、子供たちのお尻ですり減ったのかもしれない。

新しい玩具もある。
(株)コトブキ製の揺動ライド「プルルン」。

同じくコトブキ製の滑り台「クリーパー」。
(2023年08月23日訪問)