2016年に吉見丘陵のポンポン山という景勝地を訪れた。この崖の上がポンポン山で、崖に立つことができる。
そのとき山の上から自然堤防集落があるな、と思って眺めたのが吉見町山ノ下集落である。
それから約10年たって、あらためてこの自然堤防の意味を考えてみた。
これは何度か紹介している吉見領大囲堤の地形。赤い点線が大囲堤の堤防である。
吉見領大囲堤の堤防には、内側に向かって直角にせり出した「控え堤」という補助的な堤防がある。これは、大囲堤が切れて氾濫水が堤内地に入ったり、あるいは堤内地に降った雨が排水路の能力を超えて氾濫したりしたとき、被害が広がらないようにする機能をもっている。
そうした補助的な堤防のほかに、吉見町には古い時代にできた自然堤防があり、この自然堤防も氾濫水の制御の役割を果たしている。
吉見町の自然堤防で特に目立つのが山ノ下自然堤防だ。この自然堤防は過去に和田吉野川によって堆積された土手と考えられるが、西端は吉見丘陵に接続しているため、まるで天然の控え堤のように機能する。
╳印は過去に堤防が切れたことが確認できる地点だが、氾濫水はは山ノ下自然堤防でせき止められて地頭方方向に流れただろう。
上空から見た山ノ下自然堤防。
帯状に家が並んでいる部分が自然堤防で、右側が河道跡。河道跡と自然堤防上の標高差は3mくらいあり、堤防としてはかなり強固だ。
自然堤防の堤内側からみても田んぼからかなり高くなっているのがわかる。
自然堤防は微高地だから現地に行ってみても中々実感できないのだが、ここはとてもわかりやすい。
集落の家は自然堤防で最も高い場所に建てられている。
自然堤防の堤外、つまり旧和田吉野川の河道跡。
帯状の水田が続いているが、まるで川があるよう錯覚してしまうような景観だ。
河道跡側から見た自然堤防。
自然堤防は河道側が斜面が急になるが、擁壁を造っている家が多い。
自然堤防堤外を流れている排水路。
(2025年07月31日訪問)
