秩父鉱業御堂鉱業所

公道が鉱山の中を通っている。

(埼玉県東秩父村御堂)

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荻平から谷沿いに下っていくと、山村に不似合いな陸橋が現われてビックリする。

これは鉱山から鉱業所へ採石を運び出す専用道路の陸橋だ。

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鉱山の採石場が山の尾根にあり、その石を加工する鉱業所がふもとにあるのだ。航空写真を見ると、谷全体が鉱山に見えるが、山奥には萩平集落があるから公道(村道1-2号線)が通じている。

つまり萩平集落へ向かう道は鉱山のど真ん中を通っているのだ。初めて通ったとき「ここ、行っていいの?」とちょっとおっかなびっくりだった。

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ここが村道ということは、鉱山企業の私有地に立ち入ることなく、鉱山の施設を近くでじっくり見られるということでもある。

ここは秩父鉱業という会社の御堂鉱山という鉱山である。秩父鉱業は3つの鉱山を所有していて、それぞれに異なる鉱石を採っている。御堂鉱山で採取しているのは珪石。コンクリートの骨材のほか、陶磁器や耐火健在の原料になる。企業のサイトを見ると、この鉱山の石はピンク色をしていて造園用にも出荷しているようだ。

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これは、鉱床から掘り出された原石が最初に投入されるホッパー。

ここから一定量がベルトコンベアに落ちて鉱業所の様々な破砕機へ運ばれる。

私は鉱山設備には詳しくないけれど、ベルトコンベアがけっこう好きかも。

村道からよく見える場所に並行して続いている。

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やがて原石は巨大なサイロへ運び込まれる。

そこには密林のようにいくつものコンベアが複雑に絡み合っている。

石材の大きさや形状の異なる製品を作るため、いくつもの破砕機を通るようになっているのだろう。

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巨大な社屋。

中には雨に当たらないところで運転するような巨大な機械が入っているのだろうな。

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村道からこんなふうに見られるのだ。

正面には出荷用のダンプが入る2連のホッパーが見える。村道はそこを迂回するようにカーブしている。

まるで工場の中にいるような迫力だが、ここもあくまで公道。

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コンベアが何度も道を横切っている。

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谷の入口側から見た鉱業所の全景。

工場萌えのジャンルには垂涎の鉱山ではないだろうか。

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萩平川と槻川の合流地。

少し前に紹介したふれあい橋と斜め堰がある場所に戻ってきた。

あ! 帰路に消防署の写真を別アングルから撮ろうと思っていてすっかり忘れた・・・。でもきょうはもう暗いのでまた今度の機会だ。

(2022年10月25日訪問)