小川町は上流と下流にある槻川の穿入蛇行に挟まれ、東西南北がすべて山という文字通りの盆地である。下流側の穿入蛇行は嵐山渓谷としてすでに紹介した。
上流側の穿入蛇行は特別に名前はないが、その曲がり方はヘアピンカーブを描く凄まじい蛇行で、環流丘陵が誕生する一歩手前という地形なのだ。そのため、小川町から東秩父村へ向かうとき、とても印象に残る場所だ。
この付近には流れ橋がたくさんある。
その流れ橋群のうち、もっとも下流にあるのがこちらの橋。名前は不明。地域の字から「
でも橋と言っても橋脚しか見えない。
実は1ヶ月前の台風21号で槻川では出水があり、橋桁が流されたまま復旧していなかったのだ。
増水で流されている最中や、流された後で復旧していない流れ橋の風景って貴重だ。
橋脚や道路からの階段が違和感があるほど立派なのは、川の再生プロジェクトの対象だからだ。復旧は役場の土木課がやるのか、委託された工務店がやるのか知らないが、お役所なので時間がかかっているのだろう。
流された橋桁は階段の途中に引っかかっていた。
これが出水後の流れ橋の正常な姿なのだ。
橋桁にはワイヤーが付いてて、出水でも流失することはない。
残りの橋桁は脱線した列車みたいになって対岸に転がっていた。
このように橋桁が数珠つなぎ形式になっているせいで復旧が遅れているのかもしれない。板が1枚ずつになっていれば男性2人くらいで運搬して修復できそうだが、ワイヤーで連結されていると簡単には動かせない。
2022年に訪れたときには橋はかかっていた。
途中で橋の幅が変化しているのは、すでに1本流失してしまったのではないか。
(2017年11月23日訪問)
