
坂戸市の環状線(?)の道ばたに小さな塚がある。
この塚に橋供養塔があるというので訪れてみた。

見通しもよくスピードを出しがちな道路で、歩道とのあいだに縁石があるため路上駐車は迷惑になる。
でも、どういうわけか塚を周回するロータリー的な道があるのでそこに駐車できる。しかも頭から突っ込んで前進すればそのまま反対側から出られるのでバックも必要ない。

明治時代の地図を見ると、いまの2車線道路ほど直線ではないものの、このあたりを道が通っている。土地改良したときに点在していた石仏を集めたのではないか。

塚の上には4つの石塔があり、すべて馬頭観音。

一番左にあるのは三面六臂の馬頭観音。
「普門品供羪 文政7年(1824)」とある、江戸後期の造塔。

馬頭尊。
「馬安全 明治2年(1869)」とある。
この塚の中心的な石塔だ。

その左にある、駒型の額縁石塔が橋供養。
「馬頭觀世音 石橋供𫝥 天明3年(1783)」とある。
江戸後期のはじめごろになる。

塚の前には三面張りの水路がある。
明治にもこの水路はあったようなので、ここに架けられた橋に対応した供養塔だったと思われる。

橋供養塔の右側にある駒型の馬頭観音の文字碑。
背面を見ると「明治22年(1889)」とある。比較的新しい供養塔だ。ここは死んだ馬を埋める場所なのかもしれない。

塚のふもとに、他の石塔と離れて置かれていた日待ち供養塔。
「奉 造立 日待供養佛杲菩提 元禄8年(1696)」とある。江戸中期の初めごろで、この塚にある石塔では一番古い。
(2025年09月17日訪問)