大里幹線分水工

幹線水路を3分割する分水工。

(埼玉県熊谷市川原明戸)

かつて荒川の熊谷付近には6つの(せき)があって、本流の水を用水路に引き入れていた。堰は6ヶ所造られ、それぞれに対応する用水の名前を①奈良用水、②玉井用水、③大麻生用水、④成田用水、⑤御正(みしょう)用水、⑥万吉(まげち)用水という。

現在6つの堰は1つに統合され、六堰頭首工という巨大なダム状の堰になり、用水路はそこから取水した幹線水路を途中で分水する構造に変わった。

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そのうち、荒川左岸の奈良用水、玉井用水、大麻生用水は1ヶ所で3分割されている。

その分水工を見に行ってみた。地図の"⇩"の部分である。

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左岸の幹線道水路は熊谷北部の農地に血管のように広がる用水路の水がすべて流れているので迫力がある。

落ちたら死ぬな、と感じるくらいの深さと強い流れ。

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分水部分もど迫力。

一気に3分割されているが、水量が1/3なのかはよくわからない。下流の面積に応じて配分されているのだとは思うが。

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真ん中の水路から右側へオーバーフローしていた。

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個々の分水はそれぞれ止水できるように水門もある。水路を干して工事などをするためだろう。

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3本のうち一番左の水路が奈良用水。

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奈良用水はすぐに直角に曲がり、明道寺方面へ流れていく。

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残りの2つは、玉井用水と大麻生用水。

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右側が玉井用水、左側が大麻生用水になる。

現在、大麻生用水という名前はなく「大里幹線用水路」と呼ばれているようだ。

(2025年06月19日訪問)