
西武池袋線が入間川を渡河するとき、電車の窓から南側を見ていると赤さびた古い鉄橋が見える。
これは西武池袋線が複線化される以前に使われていた鉄橋で、昭和44年(1966)に廃橋になっている。

新しい線路は50mほど離れたところに新設されたので、この橋は線路からも切り離され、両岸は住宅地になっている。したがって鉄道橋として再利用するのはもはや不可能だ。

使われなくなって60年近く放置されているが、橋脚も橋桁も崩壊の気配はない。
まったくメンテナンスされていないはずなのに、それほど強固に造られたのだ。

この鉄橋は西武鉄道(の前身のひとつ武蔵野鉄道)が、大正4年(1015)に開通したときに造られたもの。それがいまでもしっかり残っているのだからすごい。

橋脚と橋台はレンガ積みだが、力が掛かるところは切石が使われている。

橋桁の形式はプレートガーダー橋。
橋長は約120m。

橋の南詰めにはわずかに鉄道用地が宅地化されずに残されている。おそらくここを宅地化してしまうと橋梁撤去工事が不可能になるからだろう。

現在の西武戦の橋梁はすぐ横にある。

鉄道橋の下には遊歩道があるので橋桁のすぐ下に立つことができる。

なお、周囲は宅地化が進んでいて狭い道だらけなので、駐車スペースは見当たらず、車での見学は困難。
(2025年08月25日訪問)