
平尾井薬師堂へ登る車道に一軒の農家がある。

その庭に壁を石で積んだ倉庫があった。いわゆる

斜面に建てられていて山側は半地下。
壁面はすべて石造で、小屋のみが木造。
建物の平側は切石のしっかりした壁だが、妻側は自然石の乱積み。

内部の様子。唐箕や漬物桶などが入れてあった。
奥壁も自然石の間に漆喰を満たした練り積み。でもこれだと湿気に弱いものは収納できないし、入口も開放しておく必要がありそう。
何を入れていたのだろう。家畜か?

石倉の横に軒の低い倉庫がもう1棟ある。

ここの中央1間は外便所になっている。
屎尿を自家消費する構造の便所。とっても怖い。大便所個室も低いついたてがあるだけで吹きさらし。
私が徳島で家を買いたいと思っていた寒村のトイレはこれよりは少しだけマシだったがどの家も自家汲み取りだった。その村の住民に聞いたところ現代では田畑に使うことはないので、時々自分で汲み取って敷地に穴を掘って埋めるのだそうだ。2000年代の四国にはそういう暮らしがまだ普通にあった。

風呂もこの外便所と棟続きになっているので、薪で沸かす五右衛門風呂だろう。便所と風呂が外にあるのって暮らすのは大変そうだ。
現在は生活の気配が薄く空き家になっているようだが、主屋は改装してあるし敷地はきれいになっているので、いつか戻ってくるつもりなのかもしれない。
(2024年12月16日訪問)