瀧見寺

元は那智山の奥の院だったが、荒れている。

(和歌山県那智勝浦町那智山)

これから、青岸渡寺から那智の滝までを歩くわけだが、正しいルートがわかりにくい。

滝→寺へ歩く場合はほぼ迷わないと思うのだが、寺→滝がわかりにくいのだ。実際、私は間違えた・・・。正しいルートは下図の緑の点線。これが昔ながらのいわゆる熊野古道的な石段である。

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青岸渡寺を訪れる参拝者の多くが三重塔へ行くと思うが、そうすると古道から離れてしまうのだ。

古道を歩くためには三重塔からいったん青岸渡寺楼門のほうへ戻り、信徒会館裏の茶店の横を下りなければならない。

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この日は三重塔がクローズしていたためかあまり観光客が来ておらず、外国人グループが数人いただけだが、有料道路を下ってしまっていた。

有料道路を歩いても行けないことはないが、車道なのでムダにカーブしていて近道ではない。

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古道の目印は信徒会館下のこの茶店。

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茶店の横に石段がありここが正しい滝へのルートだ。

降り口に「三石」というものがある。

これは那智の七石という御神体のひとつ。大門坂に①鏡石と②唐斗石、実坊院跡に③平石、那智大社に④笈掛石と⑤烏石尊勝院に⑥降石、そしてこれが⑦三石だ。

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茶店前の石段を下りると、宿坊のようなものがありその庭を抜けていく。

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宿坊を過ぎると住人用の車道があるのだが、私はここで道を間違えた。

「車道を歩かずに石段を進む」という思い込みがあって、赤線の石段を下ってしまったのだ。

ここ、正しくは緑線の歩道を歩くべきだった・・・。

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私が間違って下りた石段。

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間違いとはいえ、それなりに古そうな石垣があるし、たぶん昔は宿坊が並んでいたんだろうという風情なので気づかなかった。

ただ、あまり人が通っている感じではなく荒れている。

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この荒れた石段の途中にあったケモノ道。

これイノシシの寝床じゃないかな。

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瀧見寺という怪しすぎる寺の横に出た。読みかたは「りゅうけんじ」だろうか?

崖の上に3つのお堂が並ぶ。左から関帝廟、観音堂、徐福廟らしい。

私が間違って歩いた石段はこの境内を抜けていくのだが現在は立入禁止で通れない。

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3つのお堂の前には信徒会館のようなものがあり、その屋上が舞台になっている。

昭和の仮面ライダーでショッカーのアジトのロケに使われたこともあるらしい。

立入禁止になっているため、ちょっと悪いオーラを周囲にまき散らしている。

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この寺、降って湧いた新興宗教ではなく那智山の奥の院として江戸時代以前からあったようだ。

なんと現在も完全な廃寺ではなく、例祭の日などには檀家がお参りするという・・・。

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宗派は臨済宗らしい。

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瀧見寺横の石段が通行止めになっていたので、しかたなく有料道路を歩いた。

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この有料道路は通行料が800円。もちろん徒歩は無料だが遠回りになるので歩くべきではない。

以前は料金さえ払えば誰でも利用できたと思うのだが、いまは高齢者と足の悪い人しか通行できなくなった。

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なお、有料道路は那智大社側にもあり料金はやはり800円。

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結局、途中で古道を外れてしまったので車道を歩いて那智の滝へ向かう。けっこう遠回りになってしまっている。

すでにかなり足に来ていて、ちょっとのムダな動きもしたくない状態なので無口になりながらとぼとぼと歩く。

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那智の滝付近の茶店にも駐車場がある。

この付近の駐車料金は500円。

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那智の滝の前の茶店はほとんどが営業していた。

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やっとのこと、那智の滝までたどり着いた。

滝入口の横にも駐車場があり料金は500円だったが、便利なためか満車だった。ここは運が良くなければ置けないだろう。

もし運良くこの駐車場に置けたら、ここから青岸渡寺那智大社土産物屋街と歩くのもいいかもしれない。

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ここでついでに車道に沿った土産物屋や旅館を紹介しておこう。

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このあたりも買い物したら駐車料金がかからない店がある。

真冬だったためか半分くらいは閉まっていた。

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門前町って寺社の建築とは別だけど、その時代の参詣の文化を物語るものだからなるべく写真を撮っておきたいと思っている。

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このときは集中力がなくなっていたので、すべてのお店を撮れなかった・・・。

(2024年12月15日訪問)