
高麗川の景勝地、
高麗川が大きく蛇行している場所の内側が耕作地になっているという場所。
蛇行部分の内側は自然堤防ができるが、平野下流部の自然堤防と違って人家はない。周囲にいくらでも安全な高台があるからわざわざ川の近くに住む必要もないのだろう。

巾着田は景勝地でもあるので駐車料金が必要。そこはしかたがないのだろうけど、駐車場の利用時間が7~17時って不便すぎない? 公共施設じゃあるまいし、川と田んぼだよ?
いま時間が16時なので、これから利用すると1時間もいられない。たぶんだけど、17時過ぎたら本当に封鎖されて出庫できなくなるんじゃないかな。そういうところがね、四国で田園や川を身近にのんびり楽しんできた私にとってはものすごいストレス。

地元としては長年、都市部から来たならず者に私有地や生活道路に駐車されたり、バーベキューや花火の跡を放置されたり、粗大ごみを不法投棄されたりしてきたから沸点が低くなっていて、「車で来る他所者に対しては何をしたって良いんだ」っていう空気になるのは理解できなくはない。
埼玉県の川の八高線から西側は、そういう性悪説基準のロジックがいたるところに感じられて個人的には苦手なのだ。

でもまぁ、うん十年ぶりに高麗地区に来たのだし、残りの人生でたぶんもう来ることもないだろうと思うので、1時間の駐車料金に500円を払う。

駐車場入口にはシャワーがある。
いまでも使えるのかな。蛇口ひねってみればよかった。

巾着田は面積が22ヘクタールもあり広大なので、農道を歩いているだけでは巾着型の地形はあまり意識できない。

農業用水は2面コンクリ張りで田んぼの生きものをはぐくむ感じではないけれど、きれいな水が流れていて気持ちがいい。

一応、ここに来た目的はドレミファ橋という沈下橋を見るためなのだが、駐車場からは反対側にある。
駐車場が閉まると困るので、足早に農道を歩く。

途中に水車小屋があった。
水の架け方は胸掛け。水はポンプアップではなく、周囲のわずかな傾斜を利用している。

水輪は固定されていて回転していなかった。
回転させたほうが水輪が長持するんじゃなかろうか。

中は搗き臼×2、ひき臼×1。
砂埃まみれでほとんど使われていなさそう。
もともと観光目的の箱モノだし、耕作者の住居から遠いので使われなくなるのは必然だろう。

あらゆる意匠がいかにも観光水車小屋という感じ。

ドレミファ橋に到着。生活のための橋ではなく観光用の施設だ。

遊歩道のコースになっているので、この時間でも利用者がけっこういた。
ただ実用性という意味では巾着田の西側に架橋して、西武線の高麗駅への近道を作ったほうが公共交通機関の利用者には利便性があるのではないかと思う。

橋桁は木造で、橋脚の上流側は流木ガードになっているが、下流側は解放されているので増水時には外れるのだろう。

入間川の観光流れ橋もそうだったのだが、ワイヤーを固定するフックが上流側にあるのには何か理由があるんだろうか。

園地内にあった川の漁の説明。
こんな漁があったら見てみたいものだ。
もっとも、現在、高麗川で箱メガネでヤス突きをすることが許可されているのかは微妙。

偶然か、川で魚を掬っている人がいた。

ドレミファ橋の周囲は彼岸花の名所になっている。
彼岸花は秋に花だけが出るが、花が終ってから葉が出て来年まで栄養を蓄える。
ここに彼岸花が群生するようになったのは1970年ごろからだという。
(2022年12月08日訪問)