徐福の宮を立ち、いよいよ本格的に帰路に着く。群馬までほとんど下道で帰るとはいえさすがにリアス式海岸の海岸線を走り続けるのは無理がある。鬼ケ城あたりまで海岸線を戻って国道42号線に入るか、高速道路で松阪までショートカットするかだ。
道を戻るのは気が進まなかったので、進行方向にある

おっ、映画館あるじゃん!
新鹿町の中心街、国道311号線に面したところに古い映画館があった。

正面は看板建築ふうになっていて、ボールト部になんとなく映画館の名前が掲げてあったんじゃないかという日焼けの跡がある。

建物は木造モルタル2階建て。
映画館の後ろはすぐ海岸。このあたりはたぶん南海地震の津波でさらわれているから、建物は戦前まで遡ることはないだろう。

簡単に近所で聞き込みをしたが劇場の名前はわからなかった。映画館を閉じたあと縫製工場になっていたそうだ。現在は倉庫として使われている。

2階へ登る階段がけっこう幅があるので、映写室専用というのではなく、観客もこの階段を登ったのではないかと思う。2階桟敷もあったのではないか。
戦後の映画館ではあるが、芝居小屋の機能も持っていた可能性がある。
サイト、消えた映画館の記録によればこの映画館の名前は「新鹿劇場」だったようだ。
(2024年12月16日訪問)