熊野三所大神社

かつて浜の宮王子と呼ばれる聖地だった。

(和歌山県那智勝浦町浜ノ宮)

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伊勢熊野の旅は4日目に入る。

今回の旅では、速玉大社那智大社など大きなところを参詣したので、これで熊野地方で一般的な観光客が行かねばならない名所は片づいた。ここからは少しずつ地元ならではというスポットを見ていきたい。

きょうはもう帰路につかねばならないのだが、あまり時間がかからないような寺社に立ち寄りながら帰ろう。最初に訪れたのは熊野三所大神社(さんしょおおみややしろ)

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三所大神社がある場所は「浜の宮王子」という熊野詣のチェックポイントの跡だと考えられている。

境内は樹齢数百年はあろうかというクスノキが何本もあり森を作っている。この一帯の森は渚の森と呼ばれ書物にも登場するという。

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現在、海岸線は後退して、神社の敷地は人家の裏のような場所になっている。

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神社の境内の一画に石垣と瑞垣で囲まれた土地がある。

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ここは神武天皇が東征の際の屯所の跡として大正時代に造られた聖域だ。

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柵の中には記念碑と力石が置かれている。

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境内の様子。

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境内を進むと横に長い建物があり、神社の本殿は完全に隠れている。

この建物は拝殿とは違って、長床と分類したほうがよいだろう。

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長床の右側には玄関がついている。

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長床前の水盤舎。

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長床を通り抜けると三間社流造りの本殿が見えてくる。

この神社の名前「三所大神社」は三柱の神、家津美御子大神、夫須美大神、速玉大神、が由来である。

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本殿の右側には遥拝所付きの摂社。

神武天皇がここに上陸したとき反抗して滅ぼされた丹敷戸畔命という人物が地主の神として祀られている。

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丹敷戸畔命の石祠。

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本殿の左側にも同じフォーマットの摂社がある。

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こちらは三狐神。

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本殿の裏側にはRC造の宝物庫があった。

神像が国重文に指定されているのでおそらくこの宝物庫の中に保管されているのだろう。

(2024年12月16日訪問)