ここ、小松島市田浦町西原も農業用水の起点で、岡山で見てきた揚水水車の設置場所と非常に似通っている。
農業用水の下流地域に比べて、水量が多く、水流も強いので水車を回しやすいのであろうか。
擁壁が石垣、底面も自然のままのため水草が揺れる美しい水路。見に来たことは無いけれど、ゲンジボタルが飛びそう。
これまで紹介してきた揚水水車の多くが、コンクリートの擁壁に設置されていたが、ここは石垣の水路なのでまるで絵に描いたような田園風景になっている。
いまでは三面コンクリートでないこうした自然の水路自体が珍しくなっている。
この最上流部の田んぼは有機栽培の田んぼで、レストランと契約して生産されれているものだそうだ。水田でJASの有機栽培をするには、上流側に慣行栽培の水田があるとその排水によって条件を満たせなくなるので、河川から取水したすぐの場所が適しているのだという。
これは右岸へ水を上げている水車。
こちらは左岸へ水を上げている水車。
下流部分。
純粋に木材だけでで作られた水輪ではなく、空き缶を利用した柄杓になっているのが実用的な揚水水車の見どころとも言える。
ここには2基の水車がある。
この地域では稼働中の水車はたぶん6基。ほかに基礎だけが残っているものもあるので、以前はもっと多くの水車があったのだろう。
水田の水口を見てみると、、、イモリがいた。
随所でオスが求愛のダンスを踊っていた。
水が流れ込んでくる水口のところにはイモリがびっしり詰まっている。水田から川へ戻ろうとしているのだろうか。
イモリは陸上で越冬するというので、水田と林が連続した環境が必要だ。徳島では山田などでときどき見かける。
(2006年06月03日訪問)
多賀・八溝山地小型タ-ビン水車の研究: 小水力自家発電と茨城県電気事情の調査
単行本 – 2015/3/1
鈴木 良一 (著)
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