大豊町の施餓鬼②

精霊舟の船出の様子を見た。

(高知県大豊町寺内)

4日前(8/16)にJR豊永駅付近の河原で施餓鬼(せがき)瀬掛(せが)け)の精霊舟を見た。施餓鬼が吉野川の本流で執り行われることがわかったので、きょう(8/20)は精霊舟を船出させる場所を主に見るつもりだ。

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場所はJR大田口駅付近、薬師橋の上流だ。

河原に精霊舟が準備されているのですぐにわかった。

舟は2箇所で準備されていて、ひとつは上流の豊永郵便局があるあたりの左岸

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もうひとつは船戸地区の薬師橋の下の右岸だ。

時刻は17時半。まだ船出の気配はない。

しばらく町をブラブラして時間を潰そう。

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町の中で精霊棚が設置されている家があった。

町内の人が次々にお参りに来ている。

新盆の家なのか、あるいは、決まった場所で毎回行われているのかは確認しなかった。下流側の精霊舟の出発地点の真上にあたる場所なので、毎年ここが使われているような気がする。

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精霊棚は青竹で造られていて、屋根はヒノキの葉で葺かれている。

ハシゴが掛けられているのが特徴的だ。

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バナナも奉納されているので、何となく東南アジアの精霊の祠みたいな感じになっている・・・

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天気が崩れ、雨が降り出した。

精霊棚のまわりの提灯にもローソクが灯る。

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時刻は18時。

上流の河原で精霊舟の組立てが始まった。

少し下流のところでは一人の男性が水先案内の小舟を進水させている。

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提灯の数が多いので寝かせた状態で点火してからやぐらに立てていた。

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上流側の精霊舟が出港。

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下流側の船もそれと時間を合わせるように準備。

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小型舟を先に流した。

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時刻は18時半ごろ。

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小雨が降っているので、ブルーシートの屋根の下で提灯を準備していた。

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上流側の精霊舟がちょうど流れ下ってきた。

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精霊舟には4つの燈籠が取り付けられている。

高知県で新盆のときに吊るす飾りだ。

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提灯がついた竹竿を回転するように立ち上げる。

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船出だ。

岸辺からはロケット花火が打ち上げられる。

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呼応するように対岸の崖屋からもロケット花火が上がる。

吉野川の川面が一瞬の喧騒に包まれ、すぐに静寂が戻る。

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先に下っていった上流側の精霊舟は瀬で岩に引っかかってしまっいた。

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あとから船出した下流側の舟はうまく瀬を避けて追い越してゆく。

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先行谷の山村の風景の中に、スケール感がおかしい精霊舟が流れていく。

寺山修司の映画『田園に死す』を想起するような現実離れしたビジュアル・・・

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下流では、きょうもまた河原で舟を待ち受ける人たちがいるのだろう。

(2005年08月20日訪問)

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