間坂の段畑

崖のような斜面に造成した段畑。

(群馬県南牧村羽沢)

群馬県道93号線を遡っていくと県境を越えて長野県道93号線に変わる。この県境は分水嶺の田口峠から10kmも群馬県側に山を下ってきたところだから、行政上は佐久市といわれてもピンと来ないし、集落の人々の暮らしも群馬県側に依存している。

県境の集落は長野県佐久市田口馬坂(まさか)だが、群馬県側の隣接する住所は群馬県南牧村羽沢間坂(まさか)で、文字が違うが実質ひとつの地域なのだ。

昔話がある。

信州の殿様と上州の殿様が国ざかいを決めることになり、一番鶏の声とともに城を出て出会った場所を国ざかいにすることにした。信州の殿様は馬に乗り、上州の殿様は牛で来たため、峠から大きく群馬県側に入った場所で二人が出会うことになってしまった。信州の殿様が想像以上に上州側に入り込んだことを知った上州の殿様が「まさか、こんなに早く来たとは」と言ったためこの地を「まさか」と呼ぶようになった。

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その県境を越える直前のぎりぎりの場所、住所でいうと「間坂」に小さな段畑がある。小字は狐久保。

恐ろしく急な岩の崖みたいなところにへばりつくように造られた段畑だ。このあたりには僅かな平地もないので、日照のある斜面であれば無理をしてでも耕作したのだろう。

このすぐ近く馬坂側の段畑を以前に紹介している。

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いまも僅かに作物が作られている。

この畑を造った先祖の苦労を考えたら、簡単には耕作放棄地にはしたくないのだろう。

(2011年04月03日訪問)