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琴平町といえば
金比羅さまは、讃岐平野の独立峰「
金毘羅さまは非常に大規模な神社だ。サイトを始めてからあまり著名な寺社に行っていないので、これまでに紹介する最大の神社ではないかと思う。あまりにも大きな神社なので、①門前町→参道→山門までと、②社殿をページをわけて紹介する。
山のふもと、平地部分には旅館や食堂などが続く。
こちらは閉業中の旅館。明治時代に建てられた古い木造三階の建物が残る。
江戸時代には芳橘楼という宿で、坂本龍馬が投宿したといわれる。
土産物屋になっている建物も、たぶん古い旅籠だよね。
香川といえば讃岐うどんなのだが、「金毘羅うどん」はその中でも区別して呼ばれている。讃岐うどんとの違いは、、、、、よくわからない。
きょうはおそい昼食をこちらのお店で食べることにした。名物はしょうゆうどんらしいのでそれを食したが、味はあまり好みじゃなかった。(個人の感想)
虎屋旅館。こちらは2階勾欄の彫り物がすごい。
現在はとなりの新館で営業している。
旅籠街が終わり、石段が現われる。
ここからは神社境内の仲見世のような感じの町並みに変わる。
ここから神社までは800段弱の石段が続く。
段数的には健康な人であればそれほど大変ではない。土産物屋が断続的に続くので楽しい登りとなる。
この石段の入口には「石段かご」という駕籠業者がいる。金比羅さんの名物ともなっている。
料金は往復6,800円と高く感じるが、中々大変な仕事だ。
遠方からお参りに来た人などが記念に乗るみたいで、それなりに利用者を見かけた。
ただしこの駕籠が載せていくのは山門のところまでで、石段の段数としては半分くらいまでだ。本当に足腰が悪い人はこの駕籠を利用しても神社までは行けない。
この仲見世の特徴は、参道の上にテントをかけてアーケード街のようになっていること。
雨の日でも濡れずに歩けるというものではなく、どちらかというと日差し避けだ。
途切れ途切れだが、かなりの長さでこのテントのアーケードが続いている。
続いて、土産物屋の販売内容を見ていこう。
基本的には、お寺の門前にありがちな内容だが、参拝客が多いからか商品点数も多く、見ていて楽しい。
この店の展示なんてすごくない?
長年かけて作り出された、曼茶羅のごとき商品展示。
金比羅さまのお土産の名物は、この赤いウチワじゃないかと思う。
香川県丸亀市は国産ウチワの最大の産地として知られる。金毘羅さんの参道では、赤く塗られた渋の塗られたウチワが売られている。非常に頑丈なウチワで涼むために風を起こす用途よりも、竈などの火をおこすのに向いていそう。ひとつお土産に買った。
こちらは仏像店。
観光客が買うとも思えないが、寺の門前に仏像屋ってけっこうあるような気がする。
観光客が買うお土産はこの刀あたりかな。
土産物らしい土産物。
松ぼっくりで造った花立てが良い味を出してる。
写真館。
観光客相手の写真撮影サービスだろうか。
むかし、観光地へ行ったら中判カメラで集合写真をとってくれる写真屋さんがよくいたよね。
参道には無人のおみくじ販売所がいくつかあった。
当サイトではこれらを自販機の一種として索引づけしている。
古いゴミ箱。
むかしはこれがゴミ収集のためのゴミ集積場だったのだ。つまり数軒のゴミがこの体積に収まっていたのだ。
けっこう見かける。2つずつあるのは、ゴミの種類ごとなのだろうか。
ひとつだけ置かれているものもあった。
托鉢しているお遍路さんがいた。
四国遍路みちの周辺でお遍路さんや托鉢僧の姿をして立っている人に対して、「あれはニセモノだからお布施する必要はない」などという人もいる。私はそれは違うと思っている。喜捨は利他的な行為ではなくて、あくまでも「喜捨する側に功徳が増える、喜捨する側に利する行為」なのだ。
この人がそうかはわからないが、四国には「職業遍路」といって、遍路をしながら托鉢で生きている人たちがいるという。
一の鳥居をすぎ、山門の手前あたり。石段の左側に「灯明堂」という回廊のようなものがある。
内部に釣灯籠が下がっていて参道を照らすものだという。珍しい建物だ。ここ以外にもあるんだろうか。
石段の右側には、水難救助に関する資料を納めたお堂がある。
「水難堂」とでもしておこうか。
明治時代にこの神社の宮司、
山門の二重門が見えてきた。
本殿までの石段の段数としてはこのあたりで半分。ここからは境内となるため土産物屋はおしまい。
山門の前にある鼓楼。
その向かいには社務所がある。
振り返ると讃岐平野が見おろせる高さまで来ている。けっこう登ったなぁ。
「石段かご」は駕籠かきの人の高齢化で、2020年1月末ごろすべて廃業したという。
金比羅さまを代表する景色だったので惜しまれる。
(2005年11月19日訪問)
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単行本 – 2021/8/2
本田 不二雄 (著)
「ニッポンの奥宮」に往って還ってくること。そんな不要不急の旅でしか得られないものが確かにある。そんな神域に行かなければ埋められないピースが、われわれの心の中にはあるのだ。
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