妙見神社と撫養城址

阿波九城のひとつ、鳴門市外を見渡す山頂にある。

(徳島県鳴門市撫養町林崎北殿町)

写真

鳴門市の大毛島。市街からは海峡を隔てているが、架橋があり車で渡れる。きょうはここらで魚でも食べようと思って夕方から出かけてきた。

立ち寄ったのは「活魚料理渦畔(うずはん)」。鳴門の渦潮や大塚国際美術館などを訪れる観光客向きの大衆割烹だ。こちらで刺し身定食をいただいた。

写真

鳴門で海のものを食べるといったら、地元の人だったら「あらし」、「魚大将」、少し離れて「びんび家」あたりが定番かと思うが、あえて団体向けのお店を紹介するのは、ここがちょっとお城っぽかったから。

でもね、いろいろなアングルから見てみたけど、ちょっと城というのには無理があった。

それでも紹介するのは、このお店はもうなくなってしまったからだ。場所はここにあった。

写真

この並びには「鯛丸」とういややお城っぽい活魚料理店もあるので、そちらもそのうち行ってみたい。

写真

城建築探しは失敗したので、帰りに鳴門市街地にある撫養(むや)城に行ってみることにした。もう日が暮れて、夕方というよりは夜に近い時間帯である。

それでも駐車場に車を置いて、城のある山に登っていく。

写真

山頂には妙見神社がある。

案内板によれば、この神社の石垣が撫養城の遺構なのだとか。

写真

戦国時代に徳島には著名な9ヶ所の城郭があった。これを阿波九城(あわくじょう)と称する。その九つとは、一宮城、撫養城、西条城、川島城、大西城、海部城、牟岐城、脇城、仁宇城とされている。

撫養城は鳴門市の平山城だが、天守閣はなかったと考えられていて、現在の建物は模擬天守。模擬天守とは、歴史上天守閣がなかった城址にイメージで作った天守閣のことだ。現代ではちょっと難しい企画だと感じるが、昭和の時代には勢いでけっこう造られた。

写真

まず妙見神社を見ていこう。

境内にはいってすぐ左側には水盤舎と神厩。

写真

神馬は白馬で状態はよい。

写真

その横には銃弾ふうの忠霊塔。

写真

右側には社務所。

写真

拝殿は入母屋平入り。夜には電灯が点くので、夜間参詣もできそう。

写真

狛犬は備前焼。

写真

立派な狛犬だ。

写真

拝殿の後ろに回ってみると、たしかに強固な石垣がある。これが撫養城遺構ということだ。

天守閣はなかったとしても櫓くらいはあったのだろう。

写真

石垣の上に末社が祀られている。

写真

本殿の下が通り抜けられるようになっている。

写真

好きだなぁ、こういう造り。

写真

神社の対面に模擬天守がある。

写真

神社と模擬天守のあいだには、絵馬堂の観月殿がある。

観月殿とは当サイトの観賞カテゴリのひとつで、神社の境内の崖の縁に作られた吹き放ちの社殿をいう。絵馬殿を兼ねていることが多い。

写真

観月殿からは鳴門市街が一望にできる。

夜にも来れそうなので、鳴門市の夜景を楽しむためだけに来てもいいかもしれない。

写真

模擬天守は、鳥居記念博物館という博物館になっている。

写真

この博物館、ちゃんとした時間帯に見学したこともあるんだけれど、なぜか写真を撮っていなくて、こんな夜がちの写真になってしまった。

写真

城の構造は3重3階。

写真

もちろん営業時間外だった。

写真

駐車場付近にあった忠霊塔。

写真

同じく慰霊碑。

海軍の関係のもののようだ。

(2003年01月25日訪問)