栂尾山

札所47番。岩山の洞窟が本堂。

(香川県土庄町肥土山)

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中山千枚田のつづら折りの道をどんどん上がっていく。次の目的地は小豆島霊場第47番札所「栂尾山(とがのおさん)」。順打ちならば46番多聞寺から徒歩で山道を登るのが本来のルートだが、どうやら中山千枚田側から車で行けるらしいのだ。

ただし、1/25,000地形図に寺が記載されておらず、場所がはっきりしない。寺らしき場所が見つからないまま、山道をどんどん登って行くと、、、

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山の尾根を越えて頂上部分の蛙子池(かえるごいけ)まで行ってしまった。

蛙子池は江戸時代に肥土山の庄屋、大田伊左衛門が私財を投げ打って造った溜め池で、小豆島の溜め池では最大の大きさを誇る。ここから引いた水が離宮八幡宮の前まで届いたことを祝って、肥土山の農村歌舞伎が始まったといわれている。

(2010年に「ため池百選」に選出)

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蛙子池から引き返し、こんどは注意深く道の様子を見ていく。

途中、炭焼き小屋があった。

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結局、集落が切れたところにある墓地を少し過ぎたあたりから、西のほうへ下る急坂があってそこが寺の入口だった。

入口には看板があったのだが、腐って倒れていて見つからなかったのだ。

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駐車場に車をとめ、100mほどウバメガシの林の中を進む。

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明るい崖に出た。

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どうやらここが栂尾山のようだ。

本堂は洞窟で入口に向拝の屋根があるだけとういのは、初日に訪問した仏ヶ滝と似ている。

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本堂は崖の割れ目のような場所にある。

さっそく中に入ってみよう。

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洞窟は奥行き10mほどで短い。内部には蝋燭がともっていたので、直前にだれかが参拝したのだろう。

奥に向かって狭くなっていく、海食洞によくあるような雰囲気。左側の壁が掘り込んであり、部屋を作ろうとしたような痕跡がある。

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最深部には十位一面観音の祠があり、常時電灯がついていた。

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洞窟の入口方向を見たところ。

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寺の上は集塊岩の崖になっている。

小さな窪みにも仏像が埋め込まれているのは、小豆島の「○○滝」でよく見かける風景。

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崖にはほかに大師堂もあるので見落とさないようにしたい。

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少し進むと秋葉権現社という鎮守社(?)がある。

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その内部。

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その内部。

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また鎮守社が、と思ったら阿弥陀堂。

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秋葉権現から少し下りると東司がある。

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ちょっと、使える雰囲気じゃない。

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境内にはほかに滝行場のような場所があったが、水は涸れていた。

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本堂の洞窟の前には展望台が作られていて、肥土山の集落が見渡せる。

(2006年10月09日訪問)