島の北海岸から見えた大観音。八坂神社のあった滝宮からは山を巻くとすぐだ。
山の尾根ではなく山腹にあるため、あまり大きそうには見えないが高さは噂では68mあるといい、決して小さな大観音ではない。(正確な高さは非公表だという。)
表面の仕上げに大観音にありがちなコンクリート感があまりなく、冠や首飾りに色が塗られているので、鉄道模型のジオラマに土産物の観音像を無造作に置いてみましたという風情。だが周囲の家々と比較したらこれがかなり巨大な構造物だというのがわかる。
仕上げが綺麗なのは、比較的最近(1995年)に建立された観音像だからだ。
さっそくお参りしよう。
名前は小豆島大観音、佛歯寺。
スリランカにある佛歯寺から分骨された釈迦の歯が納められているのでこの名前が付けられた。本山の佛歯寺とは姉妹寺院の関係だという。
途中にゲートがある。このへんの様子は山奥とかにある新興宗教の入口みたいでちょっとひるむが、「ようこそおまいりくださいました」という案内に一安心。
こういうセキュリティーゲートみたいなものは人を身構えさせるので、建築家の皆さまにはよくよく不必要な威圧感を出さぬように設計してもらいたい。
途中に広い駐車場があるが、それは素通りして山上の大観音の近くの駐車場まで車で進む。
駐車場付近には、奉納された無数の観音と写経収納庫がある。
拝観受付。
この大観音には本堂や庫裏といった建物はなく、この土産物売り場、兼、食堂と背後の事務所が唯一の建物。
あえて言えば、大観音の中に入れるので大観音が本堂ということか。
受付を済ませ、大観音の胎内へと向かう。
途中にたくさんの下駄箱がありここで靴を脱いで進む。廊下や胎内には絨毯が敷き詰められているので靴下で歩くことになる。
こういう渡り廊下、いかにも「観光地!」って感じで好きだ。
大仏の基壇は2階になっていて、1階が灌頂の間・護摩殿、2階が常楽の間・般若の間となっている。
どちらも同じような間取り。
2階へ行ってみた。
ここには、この大観音の原型となった仏像が祀られている。うーん、原型には光背がついてるんだ。これは大観音にも光背を付けて欲しかった。
その周囲は回廊になっていて、無数の金色の観音像が並んでいる。
なんでも、全部で1万体あるとか。
観音の上層部へは螺旋階段で登ることもできる。
戒壇の中央はは吹き抜けになっている。
でも大変そうなので、エレベータで最上階へ。帰りは階段を歩いて下るつもりだ。
止まる階は1階、2階・・・最上階の3フロアしかない。
エレベータを降りると内部はだいぶ狭くなっている。ここにこの寺の心臓部、佛歯の間がある。
中央の金色の宝塔にスリランカから分骨した釈迦の歯が納められているのだ。もちろん丸々1本入っているというような感じではなく、欠片か、粉のようなものなのだろうが。
この場所には南側と北側それぞれに窓があり外の景色を眺めることができる。
飛行機の窓みたいなので、あまり眺めやすいとは言えない。
あとで外から見ると、首飾りの宝石のデザインの部分が窓になっていた。
うまく考えたな。
反対側にはなぜかタイ風の仏陀像が置かれていた。
帰りはこの螺旋階段を下りて行く。
階段の外周には1万体の観音像が並んでいるが、すべて型で抜いたようなものなので、1体1体ありがたく拝んでいくという感じでもない。
仙台大観音の胎内と基本的には似ているが、吹き抜けの空間は仙台の半分くらいなので、片持ち梁恐怖症の私もストレスをあまり感じることなく歩くことができた。
ぐるぐる同じような風景が続く。
2階まで降りてきた。
ここには十二支の守り本尊が祭られている。
大観音の内部に十二支の守り本尊はよく祀られてる気がする・・・。
2階から観音の基壇の屋上へ出られる。屋上にも絨毯が敷かれているので、靴下のまま野外へ。
雨の日は出られないのだろう。
背面。
正面。
大観音の周囲は西国八十八ヶ所のお砂踏み霊場になっていた。
観音は山の中腹にあるので、基壇からの見晴らしもよい。
対面には銚子渓の山並みが見える。
標高300m付近に鉢巻きのように絶壁の崖が続く。
道路などではなく天然の崖だ。
ふもとには
棚田が見事だ。
(2006年10月08日訪問)
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ムック – 2024/1/26
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