ズェガビン東麓の椰子酒店

街道沿いにある目立ちにくい店。

(ミャンマーカレン州パアン)

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朝の仕事がおわり、町へ備品の買い付けに行くことになった。

でもまだ朝が早すぎてお店が開いていないので、途中でひと息ついて行こうということになり、街道のカフェに立ち寄った。

ええと、、、これがその店。

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これまでこの道は何十回も通っているが、ここに店があるなんてまったく気付かなかった。

よく見るとこの青い看板に「天然(タバワ)椰子酒(タンィエ)(サイ)」みたいなことが書かれているらしい。

椰子酒は「タンィエ」、またの名を「スカイビア」といい、これまでにも何度か紹介してきたが、だいたいは路上販売で、常設の造り酒屋というのは初めてだ。

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椰子酒の元になるのはオオギヤシという椰子。オスの樹とメスの樹があり、メスの樹のめしべに切り込みを入れて、そこから流れ出る樹液を集めて、自然発酵させる。

1本のヤシの木から、1日あたり3リットルの樹液が取れるそうだ。

ヤシの木にハシゴがかけてあるのは、だいたいがこの樹液を取っている樹なのだ。

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通りからはよくわからなかったが、敷地に入ってみると確かに茶店っぽい雰囲気。

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ありました~、タンィエ。

なんともインスタ映えとは真逆のベクトルの造り酒屋。

午前中にはまだ発酵しておらず、昼過ぎからが飲みごろになり、日暮れごろには発酵が進み過ぎてしまうという、1日限りのお酒なのである。

味はあっさりした甘酒のような発泡酒を想像してもらえばいい。

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値段は、この1リットルのペットボトルで500チャット(約40円)。

カレン州ではミネラルウォーターのボトルが、椰子酒やどぶろく、牛乳などの販売で再利用されることがある。そこはあまり気にしないほうがいい。キャップがしてないのは発酵で膨れてしまうため。

テイクアウトして冷蔵庫で冷やしたら、さらに美味しい。

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酒のつまみも売っている。

この店、とても居心地がよさそう、と思ってしまう自分がいる。少し感覚がおかしくなってきているのかもしれない。

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タンィエは午前中にはまだ椰子ジュースという状態だというような話を聞いていたが、実際にはかなり発酵が進んでいて、モロにお酒になっている。

午前中はお酒じゃない、なんていいうのは飲んだくれの詭弁だということが判明。

一応、まだ仕事中なのでコップ1杯だけにしておいた。

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つまみは魚の干物、200チャット(約15円)。

実はスカイビアはミャンマー人でも飲みすぎるとお腹を壊すといわれていて、塩分の濃いものをつまみにするとお腹によいらしい。

日本円約55円で、2~3人が楽しめる。これでもしタンィエが冷えていたら最高なんだけど・・・。

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まだ朝の9時前なのに、桟敷席には若者も来ていた。

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若者は壺で注文。2~3リットルは入るんじゃないか?

オートバイの運転、大丈夫なんかな。

(2019年03月08日訪問)