ここまで触れなかったが、カンジーパゴダの境内に不思議な望楼のようなものがある。
第一印象としては、落下傘降下の訓練塔かなという雰囲気の武骨な塔だ。まさか捕虜収容所の監視塔なんてことはないよね?
高さは35mくらいだろうか。
カンジーパゴダの境内めぐりの最後にこの塔のところに行ってみた。
あれ? なんだか登れそう!
注意書きらしき看板があった。
ミャンマー語なのでまったく読めないんだけれど、最初のあたりになんとなく営業時間が書いてあるような気がする。
別にカギもかかっていないので登ってみることにした。
懸念事項としては、誰も登っていないので床板が腐っていたりしないかということと、2階がどうやら野良犬のねぐらになっているということだ。
履物は脱ぐルールかもしれないが、野犬もいるし、錆びた床板で怪我でもしたらいやなので、サンダル履きのまま登ることにした。
懸案の野犬は、刺激しないように2階フロアに追い上げて、無事すれ違うことができた。
建物はトラス構造で細い鉄骨で出来ているから頼りない感じだし、スケスケで周囲が見えるので怖い。高所恐怖症の人はまず無理だ。
特に怖いのは床の縞鋼板が雨に晒されてかなり錆びていて、所によっては踏み抜きそうなところだ。私はかつて廃虚でこういう階段を登っているとき踏面が崩壊したことあって、低い段だったので大事にはならなかったが、ボロボロに錆びた縞板を歩くのは苦手意識があるのだ。
手すりから手を離さないように慎重に階段を上がり、最上階まで来た。
写真からも床板の表面の危うさがわかると思う。
でも、展望台からの眺めはすばらしい。ドローンで撮影したような風景が目の前に展開する。
パゴダ、カンドージ湖、ムドン山脈が一望できる。
カンドージ湖の大仏。
その後の山並みに見えるのは、たぶんチョンパィパゴダとかいうお寺。
下は270度分のパノラマ写真。左端は国道8号線。
もうすぐ日暮れだ。
日没を見るのにもいい場所だろう。
国道8号線側のお寺の入口。
少し霞んでいるのは、家々がゴミを燃やしたり、あるいは夕餉の煮炊きのために薪や木炭を使っているからだと思う。公害といえば公害だが、人々の営みを感じさせるものであって、不快な感じはまったくない。
(2019年03月01日訪問)
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