アウジーダゴン僧院

ドンイン滝の下にある僧院。

(ミャンマーカレン州パアン)

ズェガビン西麓の寺は、これまでにもチャウカラッパゴダボディタタウン寺院レーケー僧院ドゥエイ寺院などを紹介してきた。

これから紹介するのは、それらよりもさらに南の地域になる。もちろん行くのは初めて。ミャンマーには日本のように詳細な地図もなければ、ましてGoogle ストリートビューもないので、自分で行ってみなければ何があるかわからないのだ。それが、ちょっとした探検の気分である。

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途中にミントグリーンの逆さ懸魚型山門があった。

パアン周辺でたくさんの寺を見たあとで気付いたことだが、このように板状でストイックな山門は、僧院の入り口であることが多いように思われる。逆に、ミニ仏塔や動物などの造形物が乗っている場合は、楽しみで参詣できるタイプの寺の場合が多い。

赤土がむき出しの参道がずっと続いている。あまり面白そうな寺とも思えなかったが、せっかくなので入ってみることにした。

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山門は四脚門であり、後ろ側は休憩所になっている。

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300mくらい進むと第2の山門があった。

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第2の山門にもベンチが併設。

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寺はやはり僧院であった。もちろん、僧院であっても中に入っていって、挨拶して見学させてもらうことはできる。でもまあ、あまり面白いこともないだろうから、遠目に写真をとるだけにしておいた。

僧院には2つのタイプがあるという。修行をするための僧院と、瞑想をするための僧院である。前者は有り体に言えば学校のようなものだ。

この僧院は、学校タイプである。

黄色い建物は僧房であろう。

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謎の建物。

アダムスキー型UFOみたいな形・・・。

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これは食堂(じきどう)ではないか。

食堂とは、修行僧が食事をするための場所である。日本のほとんどの寺は、住職の一家族が暮すだけだけであり、大人数が同時に食事をするための堂宇は必要ない。

だが、ミャンマーの僧院は学校のようなものだから食堂は必須なのである。

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山門の脇には茶堂と、タコンタイ(石柱)が立っていた。

石柱の先端にはオシドリが乗っている。オシドリにはこんな話がある。

釈迦は輪廻転生のなかでさまざまな動物にも生まれ変わり、世界のすべてを見てきたという。仏陀となったのは550回目の生まれ変わりのときであった。

ある時代に釈迦はオシドリに生まれ変わった。釈迦は動物に生まれたときであっても、特別な存在になるという。

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釈迦の生まれ変わりであるオシドリは強い翼を持ち、競争をすればどんな鳥にも負けることがなかった。

あるときそれを見た王様が「オシドリよ、おまえは世界で一番早い者だ。」と称賛した。ところがオシドリは「それは違います、王よ。世界で一番早いのは人の死です。死ぬことなど思わず、永遠に生きられるように生きている人も、本当は明日死ぬか、今日死ぬかもしれないのです。死はそれほど早く訪れます。」と教えた。

それ以来、オシドリは「死を思え」という教えの象徴になったという。

(2014年07月06日訪問)