七重川砂防堰堤群

石積みで造られた階段状堰堤に言葉を失う。

(埼玉県ときがわ町大野)

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きょうは上サのスケートリンクを見に来たのだが完全に当てが外れ、ただ帰るのも悔しいから堰堤を見ていくことにした。

堂平山の南斜面のかなり標高のある場所で、この堰堤を見る人くらいしか行かないような場所だ。

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これがその堰堤。

七重川(ななえがわ)砂防堰堤(えんてい)群」として土木学会の選奨土木遺産にも選ばれている見ごたえのある堰堤だ。

大正5年着工、昭和25年竣工の大工事で、堤体と川岸の護岸、川底もすべて野面石が敷き詰められている。これは堰堤と言っても砂防ダム的なものではなく、今で言う三面コンクリート張り水路みたいなものだ。連続的な落差工+床止め工と言っていいだろう。

この谷からは絶対に土石流を出さない、という病的なくらいの治水工事なのである。

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いや、これいったいどれだけの人がここで働いたんだ?

石を山まで運び上げ、割って、積み上げて・・・。

まだユンボもダンプもない時代。牛馬と人力だけでこの工事をしたというのが恐ろしい。この堤体に積まれている石をひとつ持ち上げるのだって現代人には大変だよ?

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確かに七重谷は急傾斜の深いV字谷だから、土石流の防止工事が必要なのだろうが、同じような条件の谷は埼玉県西にはたくさんありそう。

なぜここにこれほど集中的に工事が必要だったのだろう。

それともここは砂防技術を習得普及させるための県の訓練センター的な場所だったのか?

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段数は、見えているところだけでも約30段は連続している。

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下流のほうに橋脚が見えていた。

あそこはかつて道があった場所だが、現在はまったく何もない場所。

(2026年02月14日訪問)