大串用水の取水部にある古い水門、諏訪堰。
堤外地にある低い堰で、なんと上を歩ける。
構造はワイヤー式起伏ゲート。堰板は蝶番で水底に固定されていて、ウインチで引き起こすというもの。
諏訪堰は江戸中期にはすでに存在していて、木の杭に土俵を積み上げた構造の堰だったという。当然、大水のたびに壊れてその都度補修していたのだろう。コンクリートの固定堰になったのは昭和9年(1934)、現在の形になったのは昭和56年(1981)だという。
機械堰の上のメンテナンス用のキャットウォークは立入禁止が一般的だが、諏訪堰はここを釣り人など一般市民が通行できる。
立入禁止にしようとすれば柵を設置せざるをえず、そんなことをしたら増水時にゴミや流木が引っかかって堰への被害につながる。かといってキャットウォークを撤去すれば堰のメンテナンスに困る。そのためなし崩し的に橋として供用しているのではないか。
キャットウォーク上は高水時には水面下になるため手すりを設置することもできない。
転落したら骨折は必須という高さなので、行政としては通ってほしくない場所だろう。
可動部もすごく近くでつぶさに観察できる。
左岸側には大串用水の樋管がある。
堤防の右岸側のタタキに立ってみると、見上げるような高さの枝にゴミが引っかかっている。
増水時に引っかかったものだ。
可動堰から水がオーバーフローするというレベルではなく、堰の全体が完全に水没するのだろう。
諏訪堰の上から見た市野川の上流の風景。
下流の風景。床止め工がある。
堰板が持ち上がっていない時であれば、魚は自在に行き来できるだろう。
この下流部分は釣りの名所らしく、京都の鴨川のカップルみたいに釣り人が並ぶ。
この諏訪堰は2023年ごろに撤去され、新たにラバーダム型の水門になるという。
ラバーダムは魚道を造らないと完全に生き物の遡上を阻害するので私はあまり好きじゃないのだよね。堤体そのものに暴力的なおぞましさを感じてしまう。
ただ、増水時に水の流れを妨げないという意味ではそうするしかないのだろうけれど。
(2022年02月16日訪問)
