椚平の最高地点には「くぬぎむら体験交流館」という施設がある。食堂や売店がある管理棟とたぶん基本的にはキャンプ場なのだろう。
「当館ご利用者専用駐車場・その他の目的の方は敷地外の駐車場をご利用ください」とある。ただ路上にある駐車スペースも「くぬぎ村用」と書かれているので、山歩きの人などはどこに駐車したらいいかよくわからない。
ときがわ町ってほんと駐車スペースに関しての抑制が骨の髄まで染込んでいる地域だな。
ここはもと2004年に閉校した「大椚第二小学校」という学校の跡地である。
現在の施設は校舎の再利用ではないが、体育館は残っていて、いまでも学校の雰囲気が色濃く感じられる。
ちなみに「大椚第一小学校」は都幾川上流の大野地区にあったがそちらも2004年に閉校している。
椚平の学校が氷川下流の平小学校の分校ではなく都幾川上流の大野村と同じ名前である理由は、かつて大野と椚平を合わせた大椚村という自治体があったからだ。
椚平と大野は今の車道の感覚では離れているが、尾根を越えて行き来すれば近く、古くはひとつの文化圏だったのだろう。
校門跡のところに学校の校歌(?)を刻んだ石碑がある。
一.
大つき山に 日がのぼる あかい大きな 日がのぼる
みんなあつまれ 元気よく きょうも楽しく 学ぼうよ
二.
むこうの尾根に 雲がわく 白い大きな 雲がわく
ながい坂道 かけのぼれ 強いからだを つくろうよ
三.
青く拡がる 広い空 遠くかすんだ 広いはら
夢ははてなく かけめぐる 輝く未来を ひらこうよ
校歌の1番にある「大つき山」は「
遠くには関東平野がわずかに見えている。深い谷と森に閉ざされた氷川流域にあって、この校庭は広い世界に目を向けさせる特別な立地なのだ。そのためにわざわざこんな高所に小学校を建てたのだろう。
(2022年11月02日訪問)
