
若宮橋を渡った高麗川の左岸に、九頭龍神社という神社があるので行ってみた。
このこんもりとした森の中にその神社がある。

九頭龍権現は雨の恵みをもたらす農神だが、荒川水系地域では堤防を守る神様のような位置づけで祀られている。
そして、断定はできないものの、九頭龍権現が祀られる場所は過去の破堤箇所である可能性が高い。
この神社の場所も左岸堤防が不自然に膨らんでいる場所にあり、過去に破堤したため堤防再建時に位置がずれた跡なのかもしれない。

荒川水系の九頭龍権現は多くが堤防の法面に設置される関係もあって、単なる石碑の場合が多い。
だがこの九頭龍権現は、祠とはいえ単独の社殿を持ち、神社の体裁をなしている。

扁額にもしっかり「九頭龍神社」と記されている。
基礎もしっかり作られていて、少しくらいの浸水にも耐えられそう。

こちらの九頭龍さまはお酒が好きなのかな。

さて、高麗川の左岸堤防から見た九頭龍神社。堤防を散歩している人たちがお参りするには、当然、この堤防を下らなければならない。

人々が頻繁に神社にお参りするのだろう。堤防の法面に踏み分け道ができてしまっている。

それに対して、国交省が警告の看板を立てていた。
この踏み分け道で堤防が傷んで、決壊につながる恐れがあるというのだ。
堤防を守護するはずの九頭龍権現にお参りする行為が堤防の破損につながるという皮肉。これはちゃんと石段を付けるべきなんじゃなかろうか。
(2025年09月11日訪問)