4月3日、四国の山里にも春が訪れる。ついつい浮かれて、神山町へ来てみた。私が住んでいる家は徳島市内の鮎喰川沿いだが、神山町への入口みたいな地勢だから、毎日だって来ようと思えば来れるのだけど・・・。
ここは神山町大字阿野小字
この遍路道から見下ろす風景に、越屋根の付いた納屋のような建物が視界に入る。これはたぶんベーハ小屋だと思う。
建物の山側半分は納屋になっていて、2階には藁などが押し込んであるようだが、谷側の半分がタバコの乾燥室になっているのだ。
半分が乾燥室だと考える根拠は、壁面の2階くらいの高さに観察窓があることだ。これは葉タバコがうまく乾燥出来ているかをチェックするための小さなガラス窓である。納屋ならばこのような窓は必要ない。
そもそも、棟に越屋根を載せている時点で納屋の可能性はなく、何らかの換気機能が必要な建物なのだ。たとえば、柑橘類の保存蔵とか、養蚕に関係した建物などであるが、素直に考えればこれはタバコの乾燥室であろう。
宮分という集落で遍路道を外れて、県道のほうへ降りていくと道端に3階建ての木造建築がある。
もし、歩き遍路をしていてこの場所に出てしまったなら遍路道を外れているから引き返したほうがいい。県道まではつづら折りだし、県道もカーブが多いので歩く距離が無駄に長くなるからだ。尾根に近い遍路道は最短の道のりになる場所をうまく通っているのだ。
さて、こうした瓦屋根の納屋のような建物について、何なのかわからないと以前にも書いたことがある。
徳島の山間地によく見られる建物で、主屋の横に立てられている。3階建てに限らず、2階の場合も多い。上の階を見ると採光があるので座敷になっていると思われる。私は勝手に隠居屋ではないかと思っているのだが。
見回してみると、入母屋造りの主屋の横に切妻や入母屋の建物が付属している家がいくつもある。
(2005年04月03日訪問)
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昭文社 旅行ガイドブック 編集部 (編集)
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