天安河原

天鈿女命が舞ったという伝説の地。

(宮崎県高千穂町岩戸)

天照大神(あまてらすおおみかみ)天岩戸(あまのいわと)という洞窟に引きこもってしまったとき、神々は岩戸の前で宴を催して天照大神に戸を開かせるという策を講じた。そこでは天鈿女命(あめのうずめのみこと)という美女がおっぱいを丸出しで股間もチラチラ見せる卑猥な踊りを披露したため場はたいへんに盛り上がって、その歓声を聞いた天照大神もたまらず戸を少し開けてしまった。そこに待ちかまえていた天手力男命(あめのたじからおのみこと)という怪力の神が戸をこじ開け、天照大神を引きずり出して天岩戸には封印をした。

これが天岩戸の物語の顛末である。天鈿女命の舞いは神楽の始まりとも言われ、彼女が舞った場所が天安河原(あまのやすかわら)であるという。

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天安河原への入口は天岩戸神社西本宮の裏参道を出たところにある。

天安河原の近くにも数台おける駐車スペースはあるが、西本宮に参詣した場合は車で移動したりせず、裏参道からそのまま歩くのがいいだろう。

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この入口あたりから天岩戸があると思われる対岸が少し見えるが、どのあたりなのかはさっぱりわからない。

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入口からは遊歩道が続く。車で近くまでいくといった裏技はないが、遊歩道はきれいに整備されているので歩きやすい。

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途中、沢を渡る太鼓橋がある。

その下には甌穴がいくつも見える。

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遊歩道は谷川に沿って続いている。

淵はきれいな水をたたえている。泳ぎたくなるような淵だ。

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ほどなく洞窟に到着。ここが天安河原か? 県道からは片道350mほど。

たぶん浸食洞窟と思われる大きな岩陰だが、中に鳥居が立てられていてなんだか気味が悪い。

「天安河原」という語感から河原みたいな場所なのかと思うし、個人の妄想では天鈿女命は石舞台古墳みたいなところで舞ったと思ってたから、意外なビジュアルだった。

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賽の河原ふうの石積みがあるし、天安河原っていうより黄泉の国の入口、黄泉比良坂(よもつひらさか)みたいな雰囲気だ。

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河の対岸にも石積みがあった。

こんなのちょっと増水したら流れちゃうだろうから、誰がメンテしているんだろう・・・。

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洞窟を内側から見たところ。

ぼんやり観光して何十年かたったら、天岩戸を見てきたっていう記憶になっちゃいそう。

(2012年03月22日訪問)