さて、いよいよ阿蘇山の火口へ行く。
山上駐車場から有料道路があり、火口のすれすれまで自家用車で行くことができる。
私が行ったことがある火口で自家用車で登れるのは、草津白根山の湯釜とか蔵王山の御釜などがあるけれど、常時煙を上げている噴火口でここまで近くに行けるのは阿蘇山くらいなのじゃないだろうか。
山頂までは有料道路になっている。
道路の終点はすぐそこに見えているのに、料金は600円というのは正直高いな~と思うが、仕方がない。
ちなみに有料道路部分は1kmほどしかなく、走っている時間はわずか2~3分なのだ。
山上駐車場から火口まではロープウェイも運行している。
ロープウエイの火口西駅。
駅舎は円形平面でその周りを取り囲むように塹壕みたいなものがある。
塹壕の内部。
もし火口にいるときに大きな噴火があった場合、この陰に逃げ込めば、生存できる確率がちょっと上がる。
火口駐車場から火口まではすぐだ。
ルートの見取り図。
濃い青色のB-2→黄色のB-1がほとんどの人が通るルートで、足早にひと回りしたら10分くらいの距離感。
各エリアは風向きや亜硫酸ガス濃度によって立入禁止になる。
火口周辺にもトーチカみたいな待避壕がいくつもある。
ここに逃げ込むような事態は体験したくない!
ではひと回りしてみよう。
最初にあるのが火の国橋。
火口のすぐ近くに、身代わり不動というお堂があった。
後ろに見える手すりがもう火口壁なのだ。
火口壁からの眺望。
現在、最も活発に活動している中岳第1火口。
うす緑色の火口湖がわずかに見えている。意外に見えにくいなぁ。
しかも水蒸気がかなりの勢いで立ち昇っているので、その湯気のせいでさらに見通しが悪くなる。
こちらは中岳第3火口かな。
こちらは現時点では活動していないけれど、戦前までは活動していた火口でまだ生々しい。
第1火口は火口壁の上のほうへも行けるけれど、案内板によれば火口が見えるわけではないという。
ビューポイントでは記念撮影のサービスをしていた。
私も撮ってもらった。
この場所には硫黄の販売所がある。
これって、たぶん石油の脱硫で作られているやつだよね。まぁ硫黄って元素だから、天然も人工もないけど。
C-1ゾーンのほうへ。
途中、溶岩の販売所があった。
いろいろと不思議なものを売ってるなぁ。
国立公園内は厳密に言えば小石ひとつ拾って帰るのも法律違反なので、何らかの既得権によって合法的に阿蘇山の火成岩が販売されてるなら買うのありじゃないか。
この光る石販売所からはルートが分岐していて、砂千里ヶ浜方面への木道があるので行ってみる。
中岳には7つの火口があるという。
これは第4火口かな?
これは第5火口かな?
これは第7火口かな?
砂千里ヶ浜の風景。
いちめんに火山灰が降り積もったクレーター内部。ここは野焼きなどをするまでもなく、最後の噴火以後、植生がまだ復元していない場所なのだ。
なんだか火星の映像を見ているみたい。
このへんまで来ている観光客は少ない。砂千里には別途駐車場もあるので、車で移動すべきだったか。砂千里から火口駐車場までは木道を戻るよりも車道を歩いて帰ったほうが早い。
ロープウェイは2016年から続く噴火によって廃線となり、2022年現在、駅舎も残っていない。
(2011年08月08日訪問)