肱川の左岸。ここでもう1ヶ所だけお寺に寄っていこう。沖浦観音こと瑞龍寺だ。

長浜大橋から旧街道を進むと小さな楼門がある。

仁王はかなり素朴な造り。

仁王ってどうして、こんな特殊な造形が多いんだろう。

お寺の本尊だとか、サブとなるお堂の観音菩薩や不動明王などでは一定の水準を満たしているけれど、仁王には一線を越えちゃってる造形のものがけっこうあるのだ。

楼門のあるところからは山へ登っていく。

以前は徒歩でしか登れなかったようだが、現在は車道があるので車で境内まで行ける。

道路からは長浜の町が一望できる。

寺の駐車場は境内よりも高い場所にあり、そこから階段で降りていくようになっている。

大屋根が本堂、手前の入母屋屋根は鎮守社、緑色の宝形屋根が観音堂(宝蔵庫)だ。

駐車場から石段を降りるとまず鐘堂がある。

鐘堂は6本足。

3本ずつ貫で固めてあり門のような造りになっている。前後の力には強いけれど、左右の揺れには弱そう。

鐘堂の右側には観音堂がある。

このお寺に伝わる十一面観音像が国重文に指定されているため、防火のために本堂から移して収蔵している。

本堂は宝形屋根。

本堂の内部。

変わった造りだ。本堂全体が外陣と位牌堂となっていて、内陣が凸部に追い出されている。

通常は本堂内が外陣と内陣に区切られ、凸部がある場合は飛び出た部分は開山堂や位牌堂になっているのが普通だ。

いままでこのような本堂を見た記憶がない。

本堂の左側には謎の倉庫。

霊柩車の格納庫かな？

本堂の右側には庫裏。

その庫裏のさらに右側に薬医門が見える。

この薬医門がこの寺の本来の入口なのだ。

一応、山門の外まで出てみた。

以前はこの細い道が寺へのアプローチだったのだ。

観音堂の付近には寝釈迦がある。

寝釈迦の左側にはウシ。

観音堂の右側にあった鎮守社。

ここに祀られているのもウシ。

もしかして、これ牛鬼だったりする？

寺の裏山は広範に墓地になっている。

この寺の墓地は私が訪れてから2年後、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』で、死んだ恋人の墓のロケ地になったそうだ。