1月13日。雲ひとつない晴れた日。厚着した善男善女がお寺の縁日に向かって歩く、北関東の正月らしい風景。
足利市の市内にある徳正寺の虚空蔵尊大祭に来てみた。
別名を〝まゆだま市〞ともいい、縁起物の餅花が売られるという。いまでもまゆだまを売っているのか確認するのだ。
市街地ということもあってか、けっこうなにぎわい。以前に同じようにまゆだまの扱いがある渋川の初市が閑散としていたのとはだいぶ違う。
参道の棟門には干支のマンガチックなイラストが描かれた扁額が上がっている。
落款などが見当たらないが、筆運びに迷いがなく、日本画の手練れが描いたものだろう。
むかしながらのポスター。
中々に味がある。
お祭りの主尊である虚空蔵菩薩は行基の作という伝説がある。
このお寺のある山から奥山の尾根にかけては修験道に関係すると思われる古刹がいくつかあり、行基が開山したという伝説をもっている。ただ、行基は飛鳥時代の僧であり活動範囲は機内なので史実の可能性はほぼないと思うが、そのような伝説群があることは興味深い。
露店はけっこう出ている。
だるま屋。
お面屋。
最近古典的なお面を売る店が多くなったけど、風情があるのはどちらかというと仮面ライダーとか魔女っ子だな。
餅花を売る店があった。
でも1軒だけ。
枝は天然木でマユダマはモナカを張り合わせたハナ菓子で出来ているが、プラ製の縁起物が中心の商家向けの華やかな飾りだ。
色あいはもはや食品のそれではない・・・。
千両箱や小判までがモナカで出来ていた群馬の素朴なマユダマとはだいぶ趣が違う。足利市にはもう養蚕農家は残っていないし、養蚕の予祝の意味合いは薄れている。
ただし足利はもと絹織物の産地で、いまでも昔ながらの商家や繊維産業に携わる家も多く、マユダマ飾りの需要があるのだろう。
大きなタイと俵がついた高額商品。
それなりに売れてそう。
いずれこのモナカのマユダマも枝もすべてプラスチック製になるかもしれないが、まゆだま市自体はすぐすぐなくなりそうな感じではなかった。
もっともほとんどの人はマユダマに関心はなく、本堂へ行列していた。
本堂の唐破風向拝。
懸魚が鶴の透かし彫りだった。
きょうは同時に人形供養も開催される。
本堂には大量の人形やぬいぐるみが見えた並べられている。
本堂の右側には中門と庫裏。
本堂前にある宝篋印塔(?)。
本堂へお参りした人々はそのまま左のほうへ流れて、虚空蔵堂へ。
途中にあった行基庵というお堂。
どうやら信徒休憩所らしいのだが、きょうは祭りの放送所になっていた。
お焚きあげ場。暖をとるための焚火だ。
だるまや護符くらいはここでお焚きあげするかもしれないが、人形やぬいぐるみは化学製品も多いからはここでは燃やさないんじゃないかな。
またも行列。
でもせっかく来たのだから並んでお参りする。
虚空蔵菩薩を祭っていて、その像は行基が背負ってきてこの場所に安置したという伝説がある。
真っ赤なペイントと獏みたいな木鼻。北関東のお寺って感じがする。
虚空蔵堂内では特別なご祈祷も受けられる。
護符売場とご祈祷の受付。
ここにはプラスチック製のマユダマがたくさん飾り付けられていた。
亀頭受付の背後には鎮守社。
本堂の横の庭園を見おろしたところ。
(2024年01月13日訪問)
