中之条方面を目指し、小野子山の裾野を走っていたら稚蚕共同飼育所を見つけた。養蚕でカイコの1齢~3齢までを飼育する共同施設だ。
群馬県における稚蚕共同飼育所の調査は2007~2008年にかけて集中して実施したので、自分の中ではもうひと区切りがついているジャンルだ。よほど特徴のある施設でなければ軽くチェックするだけにしておきたい。
建物は道路側に飼育室と配蚕口がある。飼育方法はブロック電床育。年代は昭和40年ごろだと思われる。
横面の高窓を数えると6枚なので、ムロの数は両側で12室ある。ブロック電床育のムロには3列×10段の蚕箔をセットできるから、建物全体ではで360枚の蚕箔を扱える。群馬県の蚕箔のサイズは1枚で1箱(2万頭)のカイコを2齢の終わりまで飼育できるから、この飼育所の最大飼育頭数は360箱ということが外観からわかる。
組合員数は20~50戸くらいだったろう。
建物の西側には下屋があり、奥が剉桑室や宿直室、地下には貯桑場があるのだろう。更衣室も奥にあるから、道路側からはこの下屋が廊下の役割を果たしていた。
配蚕口の前には桑くれ台があった。
ムロから蚕箔を取り出して仮置きする台である。
これは選繭台。
繭の出荷時に繭袋から一度取り出して、広げて不良繭をチェックするためのテーブルだ。一般的には繭の集荷場にあるべき機材。
稚蚕飼育所は衛生的にしなければならないので、繭の集荷に使うことはありえない。繭には生長過程で病気になったカイコのウイルス等が付着している可能性があるから、稚蚕飼育所に近づけるべきではないのだ。
(2009年04月30日訪問)
