上小野子地区で、下小野子稚蚕共同飼育所のそっくりさんを見かけた。
規模、設計、時代がほぼ共通。同じときに補助金によって建設されたのだろう。昭和40年代前半の施設だ。
たとえばこの飼育所の上物の建築費を1千万円と見積もると、当時の資料によれば資金は国が50%、県や市区町村が10%、養蚕近代化促進事業費(農林省)が32%、事業主の養蚕組合は8%ほどで建てることができた。たとえば40戸の農家が利用するとしたら、1戸の負担額は1万円程度だ。
昭和37年に繭と生糸の輸入が自由化されたものの、キモノブームによりシルクの需要が拡大し、国内養蚕の拡大に力を入れていた時代だったのだ。
現在は地元の工務店の資材倉庫として第二の人生を送っている。
建物前にあるトイレはおそらく飼育所時代のもの。
裏側の宿直室側に回ってみた。
建物は傾斜地に建っているため地下の貯桑場の入口は半地下になっている。
地下室は天然の冷蔵庫で、畑から採ってきた桑を保存するのに適していた。このように掃き出しドアがあれば、地下室の水洗いなども排水が楽だっただろう。
ドアは背が低い。
もし条桑の束を肩に担いで通過しようとすると鴨居に枝がぶつかりそう。ということは当時は畑で葉だけを収穫して桑カゴで輸送、搬入していたのだろう。
(2009年04月30日訪問)
