道祖神の小屋に火をつけて、1年の無病息災を祈願する祭り「どんど焼き」。
群馬県のどんど焼きの本来の姿は、14日の夜に小屋でお籠もりし、15日の早朝に小屋を燃やすというものだった。1月15日は小正月だからである。
1月15日は長らく成人の日の祝日で小正月の行事を行うのに都合がよかったが、2000年から成人の日が1月第2月曜に移動した。この影響でどんど焼きの実施日も移動し、本来の小正月の行事がぐちゃぐちゃになってしまった。
成人の日が変わってから10年、まだどこかに本来のスケジュールでやっているどんど焼きがあるのではないかと思い、消防署に電話しまくって15日朝にどんど焼きをする場所を見つけ出した。旧倉渕村の鳴石集落である。おそらく県西で15日早朝にどんど焼きをするのはここだけだと思う。
どんど焼きの点火は、触れ太鼓などで人々が集まり、祝詞奏上などで興奮が最高潮に達したときに行なわれるものだと思うが、このどんど焼きはまったく静かに始まった。
すぐ車から飛び出して小屋まで行ってみたら、おじさんが一人で小屋に火をつけていたのだった。
町内会の当番なのか?
時間が来たから点火しましたよ、というなんともあっけないどんど焼きの始まり。
小屋が燃え上がっているというのに、誰もいない・・・。
ようやく夜が明けてきた。
どうやら夜明けが点火の合図だったようだ。
少し明るくなってわかったのだが、ここは鳴石という名勝の前だった。
参加者に配るみかんが置いてある。
小屋が燃え尽きるころになってやっと村人が集まってきた。
参加者は総勢7~8人。子どもはゼロ。大人だけのどんど焼きだ。
山の尾根から朝日が差し込んできた。私が一番苦手な時間帯・・・。
この集落は戦後の開拓地で、親が一緒に入植した人たちの2代目なのだろう。気の置けない仲間たちという雰囲気のなか、静かにどんど焼きが終わった。
確かに15日早朝という由緒正しいどんど焼きではあったが、その実態は子どもがいないため、曜日関係なく開催できるどんど焼きなのだった。
(2010年01月15日訪問)
