峯八の山の神

公民館のかげに隠れた小さな社。

(徳島県吉野川市川島町学峯八)

そういえば、川島町から美郷村へ抜ける峠道に城みたいなものがあった気がする・・・。

きょうはバイキング店が目的ではなく、峠の城が本当の目的なのだ。川島町から吉野川南岸の急峻な斜面を一気に上がっていく。掘割峠という小さな峠の手前に、雑木を切り払った展望所のような場所がある。

そこから見おろす川島町は、徳島県内でも有数の夜景スポットだ。

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竹林帯に挟まれた中洲は善入寺島。日本最大の中洲とされている。

その中洲から手前に延びる細い橋は、遍路が渡る姿がフォトジェニックな川島沈下橋。徳島に数ある沈下橋の中でもっとも有名な橋だと思う。沈下橋、流れ橋についてはいずれみっちり紹介していきたい。

橋を渡った手前の森には川島城の模擬天守なども見えているが、このときのデジカメの解像度ではそこまでは見えない。

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東のほうへ目をやれば、吉野川の河口方面から淡路島までが遠望できる。

で、目的の城っぽい建物はこの峠を越えてすぐのところにあるのだが、、、

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ん~、ちょっとあまりにも生々しく人の家だったので、詳細な紹介はやめておこう。

石垣もあるかなり立派な城風民家だった。

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仕方がないので、いったん川島町のほうへ下山し、中腹にある峯八という集落へ行ってみた。

村の入口に六地蔵展望台という看板があったので入ってみる。

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この籠り堂みたいなのが六地蔵なんだろうか。

展望だけからいえば、掘割峠の展望所のほうがかなりいいな。

それになんだか吉野川の対岸に小雪が舞ってきたもよう。天気がイマイチだ。

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展望台にあった歌碑。郷土史家が歌ったもののようだ。

峯八の展望
 霞にあける古城山 時雨に暮れる上櫻
 入道雲に入る夕陽 金波銀波の色映えて
 瀬々らぎの音に鮎踊る 釣人達の影ながし
 文化揺籃の二ツ森 眺望千金六地蔵
 昭和五十年 篠原雅一

ここから見える名勝を歌に織り込んである。

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六地蔵展望台を後にして、しばらく集落の中を進んでいくと、小さな鳥居が見えた。

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徳島に転居してから半年がすぎ、このころ私は吉野川の中流、山川町というところから徳島市に向かって、網羅的に神社を巡っていた。

普通なら素通りしてしまような小さい社だが、いまは神社強化期間なので寄って行くことにしよう。

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石鳥居を潜ると、正面はなんと公民館。

もともとは拝殿があったのかもしれない。拝殿の中で集会をしていたのを、建て替えの際に本格的に集会所にしてしまったというような物件は、ときどき見かける。

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公民館の横に神庫がある。その横に五角地神塔。

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社の本体は公民館の裏にあった。

拝殿ではなく覆屋だった。

あとで調べたところ、神社の名前は山の神神社。

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覆屋の内部の本殿。

檜皮葺きで立派な小祠だが、年代は新しそう。

行っても戦前から大正くらいではないか。

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神社の廻りは段畑になっている。

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近くには見上げるような段畑があった。

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作目はたぶん柿。

(2003年01月01日訪問)